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新規上場シーズンの12月まず9社承認ー市場区分再編の不安は重し

  • ローランドの再上場、想定では今年最大規模に-雪国まいたけ上回る
  • 年間のIPOによる資金調達合計額は東日本大震災時以来の低水準

東京証券取引所は10日から12日までの間に、9社の新規上場(IPO)を承認した。上場市場の再編が進む中で申請に二の足を踏む企業がある中でも、例年IPOが多い12月の上場案件がまずは滑り出した。

  いちよし証券の宇田川克己投資情報部課長は「今週になってようやく出てきている印象。例年よりも12月のIPOが少なくなることを懸念している」と話した。

  通常は11月に上場承認が矢継ぎ早に発表される。ブルームバーグがまとめたデータによると、12月に新規上場した企業数は過去5年の平均で20社程度。年間で新規上場する平均95社のうち12月上場が約2割を占める。

  2020年も残すところ1カ月弱となり、11月12日までの新規上場による市場の調達額は2116億円と、東日本大震災時を受けてIPO数が年間で37社と急減した11年の1714億円に近い低水準となっている。

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  10月6日に計画していたIPOを延期した半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(旧東芝メモリホールディングス)が上場していれば、同社が予定していた公募調達額854億円が加わることになるはずだった。キオクシアは大口取引先の華為技術(ファーウェイ)に対する米国政府の制裁強化による業績への懸念から上場を延期した。

  これまでに承認を受けたのは家電メーカーのバルミューダや、24時間営業のジム「エニタイムフィットネス」を運営するFast Fitness Japanなど。

  電子楽器大手のローランドは14年に経営陣による買収(MBO)で上場廃止しており再上場となる。市場区分は東証1部または2部。上場時発行済株式総数と想定仮条件の上限価格に基づく想定時価総額は最大で約1014億円となり、同規模で実現すれば、9月17日に上場し取引開始日の時価総額が833億円となった雪国まいたけを上回る今年最大のIPOとなる。

社名事業内容

上場日

(申請日)

市場区分
ビーイングホールディングス生活物資の物流

12月15日

(11月10日)

東証2部
スタメン経営プラットフォームの開発・提供

12月15日

(11月11日)

東証マザーズ
ローランド電子楽器・電子機器などの製造販売

12月16日

(11月11日)

未定
Fast Fitness Japan24時間営業のフィットネスクラブ運営

12月16日

(11月11日)

東証マザーズ
バルミューダ家電の企画・販売

12月16日

(11月11日)

東証マザーズ
オーケーエムバルブの製造販売

12月17日

(11月12日)

東証2部
リベルタ美容商品などの企画販売

12月17日

(11月12日)

ジャスダック

スタンダード

プレイドクラウド型顧客体験プラットフォームの提供

12月17日

(11月12日)

東証マザーズ
ビートレンド飲食店・小売店向け顧客情報管理ツールの運営

12月17日

(11月12日)

東証マザーズ

  東証が市場区分を再編する一環として1部への上場・昇格基準を1日から変更したのも企業が新規上場を踏みとどまる背景だとの見方もある。マザーズから昇格するためのハードルが上がるのに加え、来年変更になる市場区分の形がはっきりと見える前には上場しにくいからだ。

  いちよし証券の宇田川氏は不透明感が妨げる要因になると指摘する一方、それでも新規上場を達成する会社は「成長への意欲や資金の調達、人材の確保などのモチベーションがある。そういった点が評価され、資金が集まりやすい」面もあるとみていた。

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