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RCEP、世界最大級のFTAに-バイデン氏は振り子の動き戻せるか

  • 「血と汗と涙の交渉の8年間」が結実-マレーシア貿易産業相
  • RCEP経済圏は世界のGDPの約3割を占める

日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などによる10年近い東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉が妥結し、アジア太平洋地域15カ国が世界最大級の自由貿易協定(FTA)に署名する。

  ASEAN10カ国および日本と中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドが参加するRCEPは、関税引き下げや共通の原産地規則の下でのサプライチェーン強化、新しい電子商規定の整備が狙いだ。

  RCEP経済圏は世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める。圏外の一部多国籍企業は不利になる可能性があり、特に米企業はトランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)を離脱したことから影響を受けそうだ。

  インドがRCEP交渉から昨年抜けた後、残る15カ国が今週のASEAN関連首脳会議までの合意発表に向け取り組んできた。マレーシアのアズミン・アリ貿易産業相は「血と汗と涙の交渉の8年間」が結実し、15日に署名されると記者団に語った。ASEAN議長国のベトナムはASEAN関連首脳会議をバーチャル形式で開催する。  

World’s Biggest Trade Deal

RCEP: 15 countries, 2.2 billion people, a combined GDP of $26.2 trillion

Source: IMF

  オーバーシー・チャイニーズ銀行のエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は「TPPではずっと多くの経済の抜本的変化が関与したが、RCEPは『貿易の扉を開き最終的な利益を重視しよう』という呼び掛けのようなものだ。RCEPの方が中国中心に見えるが、TPPが米国中心だったのと同じではないと思う」と述べた。

  クリントン政権時代に通商を担当したウィリアム・ラインシュ米戦略国際問題研究所(CSIS)シニアアドバイザーは「米国がこうした国々を無視もしくは圧迫し続ければ、影響力の振り子は中国に向かって振れるだろう」と指摘し、「この地域における米国の存在感と影響を取り戻す信頼に足るプランをバイデン次期米大統領が打ち出せば、振り子は米国に戻り得る」との認識を示した。

原題:Deal Near for World’s Biggest Free-Trade Zone Anchored By China(抜粋)

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