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ウイズコロナの金融政策、緩和維持で安全網の役割-安達日銀委員

更新日時
  • 構造改革は痛み伴う、コロナ対応は効果的に機能
  • 経済回復ペースが想定下回る場合、倒産・廃業の増加リスク

日本銀行の安達誠司審議委員は12日、ウイズコロナの金融政策運営について、緩和環境の提供を通じて構造改革の痛みを和らげる安全網の役割を果たせるとの見解を示した。長野県金融経済懇談会のオンライン形式での講演で語った。

  安達氏は、新型コロナウイルス感染症を受けた企業の資金繰り支援など一連の政府・日銀の政策対応は「おおむね効果的に機能している」と指摘。「経済を持ちこたえさせるという意味での政策目的は、おおむね達成されつつある」との認識も示した。

  その上で、当面はアフターコロナの世界を展望することは難しく、「ウイズコロナの世界における新しい社会や経済の姿を展望する必要が生じつつある」と語った。

  こうした中で政府が推進する改革は「社会経済の構造を大きく見直す過程では、痛みを伴う可能性を否定できない」とし、ウイズコロナの金融政策は「緩和的な金融環境の提供を通じてある種のセーフティーネットとしての役割を果たすことができる」と指摘。緩和環境の維持が「中長期的にみて、経済活動が正常化し、物価安定の目標の達成に向けて動いていく基礎にもなる」と語った。

  企業の資金繰りについては、日銀による流動性供給の効果もあり大きな問題は生じていないものの、先行きの不確実性が大きい中で「経済の回復ペースが想定を大きく下回る場合には、倒産や廃業が増加するといったリスクを完全に排除することはできない」と指摘。

  こうした事態を回避するため、「経済動向を注意深くモニタリングしながら、緩和的な金融政策のスタンスを維持することが、ウイズコロナの世界においても求められる」と語った。

  安達氏は今年3月の審議委員就任後、初の講演となる。大胆な金融緩和政策によって経済成長と緩やかなインフレを目指すリフレ派のエコノミストとして知られている。

   

(詳細を追加して更新しました)
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