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うし年はブル、野村とゴールドマン予想は21年の日経平均2万7000円超

国内外の証券会社で2021年の日本の株価は上昇する見通しが出ている。新型コロナウイルスによるパンデミックや米大統領選で政治的不透明感の続いた1年から、米国の民主党主導の財政拡大やワクチン誕生を背景に、世界景気や企業業績の回復が期待されている。

  21年は十二支ではうし年。相場格言は「つまずき」と厳しい1年を暗示する一方、相場用語ではブル(雄牛)は上昇を意味する。ことしの世界経済はリーマン・ショック以上ともいわれる新型コロナに襲われたが、9月以降は最悪期を脱し景気回復と菅新政権下での改革進展への期待で上昇している。来年はさらに上昇する状況が整うとの見立てがある。前回のうし年(09年)も前年のリーマン・ショックから回復した1年だった。

  野村証券は10日、21年末の東証株価指数(TOPIX)を1825、日経平均株価は2万8000円と予想した。ゴールドマン・サックス証券は同日にTOPIXを1875、日経平均株価は2万7200円と21年の目標水準を引き上げた。

日経平均株価2万5000円台

  野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストらは、日米株価急騰の背景には米大統領選前に市場が見逃していた景気・企業業績の力強い回復が、選挙後に急速に織り込まれるという現象が起きていると指摘。米国の失業率が高止まりし景気回復局面でも金利は上がりにくく、株式が業績とバリュエーションの両面から支えられる好環境が続くとみている。

野村証券予想のポイント
  • 日本企業は22年度に過去最高益水準を更新へ
    • 20~22年度の日本の実質国内総生産(GDP)成長率予想は-6.4%、+4.9%、+3.0%
    • 20~22年度のトップダウン予想1株当たり利益(EPS)は19%減益、54%増益、22%増益ーTOPIXの推移ベース
  • 翌期ベース株価収益率(PER)は12月としての過去平均並みの14.8倍を想定
  • 21年の有望セクターは景気敏感で自力成長も高い機械、電機・精密、自動車・輸送機、金融(除く銀行)

  ゴールドマン証のキャシー・松井氏らは、マクロ主導だった今年の相場から、ミクロファンダメンタルズに注目が移ると指摘する。菅政権は市場寄りの財政・金融政策に加えて、50年までの脱炭素社会の実現、デジタル化戦略、民間セクターの生産性向上策など野心的な改革アジェンダを実行すると想定。企業利益が回復すると予想した。

  日本株のバリュエーションはPERが14.7倍、株価純資産倍率(PBR)が1.2倍と、その他の先進国に対して依然かなり割安と同氏らは評価。海外投資家が依然として日本株とシクリカルセクターを大幅なアンダーウエートにしており投資家のポジションは軽いとみる。

ゴールドマン・サックス証券予想のポイント
  • 21年の世界GDP成長率がコンセンサス予想(5.2%)を上回る6.0%に達すると予想ー日本は21年度で4.6%、22年度は1.4%の成長予想
    • 追加財政支援策、継続的な金融緩和策、新型コロナワクチンの承認・普及が追い風
  • 21年度はEPSが58.4%、22年度には9.3%それぞれ増加
  • オーバーウエートのセクターには従来取り上げた機械、自動車、電子部品・精密機器、ITサービス、保険などの景気敏感セクターに加え、化学と商社も挙げた

  ワクチン開発が進んでいるとはいえ広く普及するまではコロナ感染再拡大が景気回復シナリオに対する最大のリスクであることには変わりがない。野村証の池田氏らは、個人向けサービス業種は低迷を余儀なくされると予想するが、グローバル製造業には活動停止を極力回避するなど相応のコロナ耐性があり、欧米の感染拡大が日本の輸出環境を損ねるリスクは小さいとみる。


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