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イーライリリーのコロナ抗体薬、米FDAが緊急使用許可

更新日時
  • コロナ感染者の入院回避の効果が初期データで示唆されている
  • 米政府はEUA条件に30万バイアルに3億7500万ドル支払う契約

米食品医薬品局(FDA)は9日、米イーライリリーのモノクローナル抗体医薬バムラニビマブについて、軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症(COVID19)の成人および小児患者向けに緊急使用許可(EUA)を付与したと発表した。 同薬の初期データはコロナ感染者の入院を回避させる効果を示唆している。

  イーライリリーの株価は同日の時間外取引で一時4.5%上昇した。対象となる成人には65歳以上も含まれる。

  今回の決定を受け、医師は高リスク患者について、入院を余儀なくされるほど重症化する前に対処する選択肢を得られる。血漿(けっしょう)療法やギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬レムデシビルなど当局がこれまでに使用を認めた他の治療法はコロナの重症患者向けだ。

  今後は供給というさらに困難な試練が待っている。イーライリリーは9日の発表文で、バムラニビマブは「コロナ検査で陽性となった場合、できるだけ早く、症状が出始めてから10日以内に」投与すべきだと説明。同社は医薬品卸売りのアメリソースバーゲンに直ちに出荷を開始し、そこから米政府の指示通りに供給される。国民は静脈内投与の費用を医療機関から請求される可能性はあるが、薬剤自体の自己負担はないという。

  抗体医薬は医師がコロナ治療で使用できる重要な手段の1つになる可能性がある。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長も抗体医薬がワクチン実用化までの橋渡しになると言及している。

  抗体医薬は高齢者施設の入居者や、入居者の感染を防ぐためにウイルスにさらされた可能性のある職員に投与し得る短期的な治療法としても研究が進められている。

  イーライリリーはカナダのバイオテクノロジー企業アブセレラ・バイオロジクスと共同開発したバムラニビマブについて10月にFDAにEUAを申請していた。

イーライリリー、新型コロナ抗体療法の緊急使用許可をFDAに申請

  イーライリリーが9月に発表した臨床試験の暫定結果によると、症状のある患者で入院または緊急治療が必要になった割合がプラセボ(偽薬)群に比べ低かった。患者のウイルス量の値は3つの投与量のうち中間の量で低下した。試験結果は米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載された。

  米政府はEUAを条件に30万バイアルに3億7500万ドル(約400億円)を支払うことで合意している。EUA取得後最初の2カ月間の供給が対象だが、米政府は来年6月までに追加で65万バイアルを最大8億1250万ドルで購入するオプションも確保している。

イーライリリー、新型コロナ抗体薬供給で米政府と合意-3.75億ドル

  デイビッド・リックス最高経営責任者(CEO)によると、同社はアムジェンと生産で提携しており、さらに提携先を確保する方針。

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原題:Eli Lilly Covid Antibody Drug Gets Emergency FDA Clearance (2)
(抜粋)

(4段落目に供給に関する説明を追加して更新します)
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