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JALが公募増資で最大約1680億円調達へ、A350型機導入など

更新日時
  • 既存機と入れ替えて燃費改善し収益性向上-LCC強化、負債返済も
  • JALは今期再上場後初の赤字見通し、ポストコロナの成長視野に

日本航空(JAL)は6日、国内外の公募増資などで最大約1680億円を調達すると発表した。燃費効率に優れた新型機購入や事業構造改革、有利子負債の返済などに充てる。

Japan Airlines Co. And All Nippon Airways Co. Aircraft at Haneda Airport

羽田空港を離陸するJALの航空機(19年5月)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  調達した資金のうち、800億円をエアバスA350型機の導入に充て、既存の主力の大型機ボーイング777型機と入れ替えることで二酸化炭素(CO2)の排出削減や燃費向上による収益性の向上に取り組む。2023年3月末までの導入を予定している。

  このほか、150億円を新型コロナウイルスの感染拡大により後退した観光需要を喚起するため、ローコストキャリア(LCC)事業の強化に使う。さらに、50億円をポストコロナの社会で必要とされる非接触化やモバイル化を推進するための空港設備の更新などに投じる。

  LCC事業強化向けの資金のうち100億円はJALが出資するジェットスター・ジャパンと春秋航空日本に対する投融資資金に充てる。同社の木藤祐一郎財務部長はオンライン会見で、両社への出資比率を上げるかどうかについては明言を避けた上で、「われわれのLCC戦略の一翼を一緒に担っていただきたい意味で関与を深めていく」と述べた。

  調達資金の残額は社債の償還や借入金の返済、航空機リースの返済に充当する。今期(2021年3月期)に300億円、22年3月期と23年3月期に500億円ずつ支払うことを予定している。

希薄化率30%

  同社の発行済み株式総数は6日時点で3億3714万3500株。今回の公募増資と第三者割当増資により株式数は約30%増える。

  木藤氏は、増資により今期末の自己資本比率は40%台を維持できる見通しだと説明。公募増資により既存の株主に迷惑をかける可能性はあるものの、投資を諦めたり減らす一方で負債の削減に注力すると「ポストコロナにおける成長が描きにくくなる」とし、中長期的に企業価値を高めることで既存株主に報いていきたいとの考えを示した。

  新型コロナの影響による航空需要が大幅に減少したことで、航空各社の経営状況は厳しさを増している。

  JALは10月30日、今期の純損益が最大で2700億円の赤字になるとの見通しを明らかにした。赤字となれば12年の再上場後で初めて。同社は2月以降、約3000億円を新たに借り入れたほか、2000億円のコミットメントラインを確保し、さらに1000億円の追加を予定している。

  木藤氏は、「公募増資はそう何度もできるものではない」とした上で、今回1億株という大規模な増資の後に再び公募増資をすることはないと「明言できる」と話した。一方、負債についてはさまざまな手法があるため、「今後の状況によって柔軟に検討したい」と語った。

  競合するANAホールディングス(HD)も10月に、今期の営業損益が5050億円の赤字になるとの見通しを公表。資金繰りへの対応として劣後特約付きシンジケートローンによる総額4000億円の資金調達も実施するとした。片野坂真哉社長は会見で「手持ち資金の心配はしてない」とし、公募増資を決めている事実はないとした。

(会見での発言や情報を追加して記事を更新します)
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