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コロナから力強い回復、トヨタとホンダが今期利益見通し上方修正

更新日時
  • トヨタの営業益予想は従来比1.6倍の1兆3000億円、市場予想上回る
  • ホンダも大幅上振れ、販売増や経費減が効果-コロナ再拡大に警戒も

トヨタ自動車は6日、今期(2021年3月期)の営業利益予想を前期比46%減の1兆3000億円(従来予想5000億円)に上方修正すると発表した。新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた販売が回復しており、回復傾向が鮮明となっているが今後の感染再拡大を警戒する声も残っている。

Vehicle Shipment at Yokohama Port Ahead of Auto Companies Earnings

横浜港で船積みを待つトヨタの車(10月31日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  トヨタの新たな営業利益見通しはブルームバーグが事前に集計した市場予想の平均値1兆2526億円を上回る。販売台数や為替の影響が寄与する。世界販売台数は750万台に従来の720万台から引き上げた。想定為替レートは1ドル106円、1ユーロ121円と従来予想からそれぞれ1円と6円、円安方向に修正した。

トヨタ決算の概要

通期見通し

  • 売上高:26兆円(従来予想24兆円、市場予想25兆3482億円、前期29兆9300億円)
  • 営業利益:1兆3000億円(従来予想5000億円、市場予想1兆2526億円、前期2兆4429億円)
  • 純利益:1兆4200億円(従来予想7300億円、市場予想1兆2286億円、前期2兆762億円)

7-9月実績

  • 売上高:6兆7744億円(前年同期7兆6395億円、市場予想6兆6402億円)
  • 営業利益:5060億円(前年同期6623億円、市場予想3158億円)
  • 純利益:4705億円(前年同期5920億円、市場予想2662億円)

中間配当:105円(前年は100円)

  トヨタ単体の9月の世界販売は新型コロナ感染拡大以降で初となる前年同月比で増加に転じており、7-9月期には前年同期比約93%まで回復。年末から来年初めにかけて前年並みに戻るとしていた8月の決算時の想定を前倒しで達成した。同期には、主力の北米事業の営業利益が1873億円と前年同期比61%の大幅増となったことが利益面で貢献した。

  トヨタは未曽有のコロナ禍を受けて企業の多くが業績見通しを未定とする中、期初に通期の利益見通しを公表。豊田章男社長は決算会見で、基準を作ったことにより「各現場は変化に柔軟に対応できた」と振り返り、非稼働日は改善活動に取り組んだことなどで生産性が大きく向上し、生産や販売の担当者が必死になって仕事をしたことが「急速な販売回復につながった」と述べた。

  東海東京調査センターの杉浦誠司アナリストはトヨタが通期の営業利益見通しを上方修正するとの観測が以前からあり、「そこまでのサプライズはない」とコメント。9月以降、生産台数は高い水準に戻っていることからそれに見合ったかたちで利益が出てきているのではないかとし、「まだ上振れ余力はありそう」と述べた。

コロナは予断許さず

  一方、ホンダは今期の営業利益が4200億円になるとの見通しを示した。従来見通し(2200億円)から倍近い増加幅となる。また、純利益や売上高の予想額も引き上げた。景気の減速が「当初の想定よりも早期に回復」しているとし、販管費の減少などが利益見通しの引き上げにつながったとした。

ホンダの通期業績見通し
  • 売上高:13兆500億円(従来予想12兆8000億円、前期14兆9310億円)
  • 営業利益:4200億円(従来予想2000億円、前期6336億円)
  • 純利益:3900億円(従来予想1650億円、前期4557億円)

  

  新型コロナの影響で経済活動が大幅に停滞した4-6月期は多くの自動車メーカーが厳しい状況に追い込まれた、その後、独フォルクスワーゲン(VW)や米フォード・モーターなどの海外勢も7-9月期は営業黒字に転換するなど業界全体として回復基調とななりつつある。その一方で、欧米では感染が再び拡大しており先行きには不透明感も漂っている。

  トヨタの近健太最高財務責任者は会見で、コロナの第2波、第3波の「リスクを考えると予断を許さない」と述べた。

(ホンダの決算発表を追加し、記事の構成を変えて更新します)
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