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中国念頭の日米関係、どちらが大統領でも日本重視は継続-宮家参与

  • 民主・共和両党とも中国を「最大の戦略的な競争相手」に
  • バイデン氏勝利でも内向き志向変わらず、TPP復帰は簡単でない

宮家邦彦内閣官房参与は接戦が続く米大統領選でどちらの候補が勝利しても、中国の台頭を警戒する米国の政策は変わらず、日本との関係を重視する姿勢は続くとの見方を示した。宮家氏は菅義偉政権の外交を担当する内閣官房参与。

  宮家氏は5日夕のブルームバーグとのインタビューで、民主・共和両党とも中国を「最大の戦略的な競争相手」と位置付けていると指摘。中国の存在が年々増す中で「日本との関係、東アジア政策の比重が高まるはずだ」と語った。対日交渉ではバイデン氏が当選した場合でも「重厚な担当者を持ってくる可能性が十分ある」と期待感を示した。自身の見解が政府を代表するものではないとして取材に応じた。

  安倍晋三政権での日米関係は、貿易赤字解消の要求や防衛装備品購入など厳しい交渉も続いたが、トランプ大統領とは蜜月関係を築いた。宮家氏は、今後も両国は中国を念頭に「おのずから望ましい関係をお互い求め合っていかざるを得ない」ことから、菅政権下でも突然関係が変わるとは思えないとした。

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接戦となった米大統領選

  新型コロナウイルス禍の中で発足した菅政権は、米国をはじめ各国首脳との電話会談で外交をスタートさせた。10月には、東京で日米豪印4カ国の外相による会合を開催し、自由で開かれたインド太平洋の推進に向けた連携で一致。同月中旬には、就任後初の外遊先としてベトナムとインドネシアを訪問し、南シナ海を巡り、海洋進出を加速させる中国をけん制した。

  バイデン前副大統領の勝利でも、米中対立の構図が継続するとすれば、日本にとっては、「中国が戦術的ながらも関係改善を求めてくる絶好のチャンス」であると宮家氏は話す。菅政権発足後、中国を念頭に多国間で連携を確認する動きが相次いだが、いずれも前政権から継続性のある取り組みであり、対中政策を転換したものではないとの認識も示した。

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菅義偉首相

  今後の米国に関して宮家氏は、バイデン氏の地滑り的勝利でなければ、自国第一主義を掲げる米国の内向き志向は大きく変わらないと見る。バイデン政権となれば、米国が環太平洋連携協定(TPP)に戻ることを期待するが、内向きのトランプ現象が継続すれば、米国内には強い反発が残り、「簡単にできるかどうかは分からない」という。

  バイデン氏が勝利すれば、ホワイトハウス主導のトランプ政権とは違い、菅政権との間では従来のような米国務省と外務省が主なチャンネルになるとの見通しも示した。日米両政府の交渉が始まっている米軍駐留経費についても、トランプ政権の4倍増の要求が不可能であることは、「米側も分かっている」とした。

  宮家氏は外務省出身で、日米安全保障条約課長、在中国大使館公使、中東アフリカ局参事官などを経て05年に退職。現在はキヤノングローバル戦略研究所の研究主幹で、10月に内閣官房参与に就任した。

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