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カーライルが370億円投資、日アジアGのMBOで-子会社株含め

更新日時
  • 日アジアG株を1株当たり600円でTOB、5日終値に比べて7割高
  • カーライルが3月に設立した日本ファンドによる投資1号案件

米投資ファンドのカーライル・グループは5日、再生可能エネルギー施設の建設などを手掛ける日本アジアグループに対して、マネジメント・バイアウト(MBO)を目的とした株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。傘下企業の株式取得も含めて総額370億円を投資する。3月に過去最大の日本特化ファンドを立ち上げており、その1号案件となる。

  発表資料などによると、買い付け価格は1株600円で5日終値(352円)に対するプレミアムは70%。TOBの成立条件として3分の2以上の株式取得を下限とし、取得金額は最大で約165億円となる。TOBは6日から12月21日まで実施する。日アジアGはTOBに賛同している。カーライル側の財務アドバイザーは野村証券が務める。

  カーライルは持ち株会社の日アジアG株を100%取得して非上場化する。その後、日アジアGの山下哲生社長が再出資する。カーライルは子会社で地形やトンネルなど測量データ提供の国際航業株80%、再生エネルギーのJAG国際エナジー株の70%を日アジアG株との株式交換や現金で取得する。

  結果的に両子会社以外を主な事業とする新たな日アジアGは山下社長が100%所有する一方、カーライルは両子会社に社外取締役を派遣したり、必要があれば増資に応じたりするなどして成長戦略を主導する。日アジアGに借入金や不採算事業があることから子会社2社の価値の方が大きく、カーライルの投資額は合計で約370億円となる見込み。

  カーライル・ジャパンの大塚博行副代表はブルームバーグの取材に対し、出口戦略の時期や方法については「全てのオプションを検討する」と述べた。カーライルは近年、グローバルで再生エネルギーなどSDGs(持続可能な開発目標)関連の投資を強化している。

  また、大塚氏は「この2カ月ぐらい大企業を含むカーブアウト(事業分離)案件の相談がドカッと来ている」と述べ、新型コロナウイルス禍などをきっかけに日本企業がコア事業への集中志向を強めており、持ち込まれる案件の増加につながっているとの見方を示した。

  カーライルは3月、同社として4番目となる日本ファンドを設立したと発表。調達額は3号ファンド(1195億円)の倍以上に当たる2580億円。日本代表の山田和広氏はこのファンドを軸に日本で大型案件に本格参入する意向を示し、消費財やヘルスケア、テクノロジー・メディア・通信(TMT)、製造業など重点業種を中心に年1-3件の投資実行を見込んでいると説明していた。

 

(カーライルのコメントを追加するなどして記事を更新します)
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