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ECBの緩和拡大まで6週間、金融機関が予想する措置は

  • PEPPの拡大、エコノミストと投資家に異論はほぼない
  • マイナス金利深掘りの可能性は低いとみられている

新たな金融緩和パッケージを12月に打ち出すとした欧州中央銀行(ECB)の異例とも言える明瞭なメッセージを受けて、市場は考えを巡らせている。

  ラガルド総裁は先週、新型コロナウイルス感染再拡大で再び閉鎖状態になるユーロ圏経済に必要なあらゆる支援措置を取ると率直に述べた。総裁は「再調整」という言葉を何回も用い、同じ措置を拡大するだけではないことも示唆した。

  金融のプロフェッショナルたちは以下のようなシナリオを想定している。

PEPP

  エコノミストと投資家に、1兆3500億ユーロ(約165兆円)規模のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)が拡大されることにほとんど異論はない。

  JPモルガン・チェースとUBS、バークレイズは5000億ユーロの拡大を予想し、モルガン・スタンレーはもう少し小幅、コメルツ銀行はもう少し大きな拡大を見込む。期間は2021年末まで半年間延長されるというのが一般的な見方だ。週間購入額は次回会合前にも増額される可能性があるとエバコアISIはみている。

ECB programs on the balance sheet

APP

  デフレリスクを排除するために15年に導入された資産購入プログラム(APP)も拡大される可能性がある。同プログラムは19年に短期間停止されたがその後再開され、現在は月額200億ユーロに「一時的枠組み」として1200億ユーロを加えて実施されている。現時点では今年末まで実施の予定。

  ABNアムロ銀行やバークレイズ、ピクテは期間が21年まで延長され購入ペースも加速する公算が大きいとみている。ピクテは月額400億ユーロへの増額もあり得ると予想。また、社債プログラムでは格付けが投資適格未満に引き下げられた債券も購入する可能性があるとみている。

TLTRO

  ECBは融資促進を目的に6年前に導入した銀行への低利融資プログラム、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)が奏功したと考えており、エコノミストはこれが12月のパッケージの中核になると予想。21年には1回しか予定されていないため、回数を増やす可能性が高い。

  JPモルガンなどは21年に4回を予想。条件も最低金利のマイナス1%での借り入れが容易になるように調整されると見込んでいる。JPモルガンによれば、この融資の担保の基準も緩和される可能性がある。

マイナス金利深掘り

  可能性が比較的低いとみられているのは利下げだ。中銀預金金利は既に過去最低のマイナス0.5%で、新型コロナ危機が始まって以降に引き下げられてはいない。銀行の収益を圧迫する懸念が理由だが、これを緩和するため一部の中銀預金についてマイナス金利を免除する階層化で、免除の範囲が拡大される可能性があるとABNアムロは指摘した。

原題:ECB’s Six-Week Countdown to Stimulus Action Has Banks Guessing(抜粋)

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