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迷走続いたトランプ氏のコロナ対応、ホワイトハウス集団感染の内幕

  • トランプ氏は側近や家族、自分自身も感染から守れなかった
  • 表向きはコロナを軽視していたが、裏では正反対の行動
4x3 HP crop
Photographer: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP
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Photographer: BRENDAN SMIALOWSKI/AFP

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の初期段階から、トランプ米大統領の危機対応は迷走していた。

  公の場ではウイルス自体やウイルス感染を恐れる人を軽視する態度を取っていたが、そうした虚勢の半面、非公式な場では感染を非常に恐れるような行動を取っていた。

  2月に当時の大統領首席補佐官代行だったミック・マルバニー氏がインド訪問から帰国する際には、咳が残る同氏に「家にいろ」ときつく命じていた。事情に詳しい関係者が明らかにした。新型コロナ前でさえ、トランプ氏は誰かがくしゃみをすると部屋の反対側に急いで移動することで知られていた。また、市販の手指消毒剤を常備するほか、「肌には使用しない」と注意書きのある医療用清拭シートで手をこすっていた。

  そんなトランプ氏だが、ホワイトハウス内では最も単純かつ効果的な感染予防策の1つを嫌悪していた。マスクの着用だ。感染拡大初期にマスク姿で現れた側近らに対しては、何度も「そんな物は外せ」と要求していた。「見栄えが悪い」というのがその理由だ。

  一部の側近は、ホワイトハウスが基本的な安全対策を十分に講じていないと考えていた。また、ホワイトハウス内での集団感染が外部に伝えられるのかどうかも懸念していた。

  ペンス副大統領との新型コロナ対策タスクフォース(作業部会)会議で危機管理室に足を踏み入れたムニューシン財務長官は、部屋が密状態となっていることに警戒感を示したという。春の会議に出席していた複数の関係者が明らかにした。ムニューシン氏は「われわれはすべてのプロトコルに違反している」と言いつつ、自分が座る椅子をテーブルから引き離したという。

  その後、作業部会の会議ではソーシャルディスタンスが意識されるようになった。ただ、事情に詳しい関係者3人によれば、当時の危機管理室では医師の間でさえマスクが定期的に着用されることはなかった。

President Trump Joins Coronavirus Task Force Briefing At White House

記者会見に臨むトランプ大統領と新型コロナ対策タスクフォースのメンバー(3月9日)

Photographer: Drew Angerer/Getty Images

  トランプ氏の最側近の1人であるホープ・ヒックス氏は新型コロナに感染したが、9月30日に体調を崩した際、トランプ氏の息子ドナルド・ジュニア氏とエリック氏、娘ティファニー氏を含む大統領に最も近い人々にさえ、その事実は知らされなかったという。3人はその前日、クリーブランドで行われた第1回大統領候補者討論会にヒックス氏と同行していた。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  トランプ氏は、地球上で最も安全な場所の1つであるはずのホワイトハウスでスタッフや家族、そして自分自身をも新型コロナから守ることができなかった。こうした実態は、トランプ政権が全米規模への感染拡大を食い止められなかったことの縮図とも言えるものだ。

  この記事は、ホワイトハウスで働く当局者やトランプ氏に助言している複数の人物への取材を基にしている。これら関係者は全て、守秘義務を理由に匿名を条件に語った。

  ホワイトハウスのディア報道官は声明でトランプ大統領のホワイトハウス内外でのコロナ対応を擁護。大統領は米疾病対策センター(CDC)の指針を推奨し、ホワイトハウス内部での感染拡大を止めるため「強力な」接触者追跡プログラムを実施してきたなどと説明した。

Donald Trump,Amy Coney Barrett

ホワイトハウスで開かれたエイミー・コニー・バレット氏の連邦最高裁判事指名式典(9月26日)

Photographer: Alex Brandon/AP Photo

原題:
Trump’s Dismissal of Covid Risk Paved Way to White House Outbreak(抜粋)

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