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米国債トレーダー、利回り急変リスクに備え-注目イベント前に

更新日時
  • 11月3日の米大統領・議会選を皮切りに重要な行事がめじろ押し
  • 米財務省は4日に四半期定例入札計画発表-FOMCや雇用統計も

世界最大の債券市場である米国債市場は、ホワイトハウス入りを懸けた激しい闘いだけにとどまらない今後の展開を左右する週に突入する。

  11月3日に米大統領・議会選が迫る中で、大統領選勝者と議会を制する政党が同日夜に判明する保証はない。その翌朝にはトレーダーがもっと心配するイベントが続く。米財務省は4日に四半期定例入札計画を公表する予定で、急激な利回り変動のリスクがある。ウォール街のディーラーの間では、債券発行が過去最大を更新するか現行水準に維持されるかで見方が割れている。5日には連邦公開市場委員会(FOMC)が政策を決定する。ただ、政策は据え置きと予想されており、投資家の関心は低い。6日には10月の雇用統計が公表される。

  2011年以来最高のパフォーマンスとなるペースにある米国債市場にとっては重要な期間を迎える。ヘッジファンドなどレバレッジを使ってリターン拡大を狙う投機家は債券先物の下落を見込む賭けを記録的水準に高めており、ボラティリティーが高まる可能性がある。選挙結果を受けて大型景気対策への期待が後退した場合には、こうした賭けの手じまいを余儀なくされ、米国債相場の上昇を後押ししそうだ。

  ウェルズ・ファーゴの金利ストラテジスト、ザキャリー・グリフィス氏は、「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で選挙がどれほど対立を生じさせたかということに加え、政府が驚異的な規模の債券を既に発行している点を踏まえれば、今週はここ数年で最もインパクトの大きい週になりそうだ」と指摘。「一度に多くの事柄が集中する可能性がある」と付け加えた。

選挙の夜

  世論調査によると、民主党候補のバイデン前副大統領はトランプ大統領にリードしているが、民主党が上院の過半数議席を奪還するかどうかは予断を許さない状況。 プレディクトイットによると、民主党がホワイトハウスと上下両院を制する確率は10月初旬には62%を付けていたが、直近は52%だ。

  投資家は民主党の圧勝が財政支出増加の道を開くと見込んでおり、国債増発で10年債利回りは0.87%と、4カ月ぶりの高水準に達している。

Treasury yields in October notched their biggest monthly advance this year

  長期債利回りが持続的に上昇すれば、米国債相場の過去10年で屈指の高リターンは一変しそうだ。ブルームバーグ・バークレイズの指数データによると、2020年の米国債のリターンはプラス7.9%。

  モルガン・スタンレーのマクロ戦略グローバル責任者、マシュー・ホーンバック氏は、「世論調査はバイデン氏の大統領選勝利の可能性が高いことを示唆しているが、上院選の行方については確信が持ちにくい」と指摘。大統領選と議会選の勝者が一致した場合は、米国の金利に最も強い上昇圧力がかかるとの見方を示し、10年債利回りは20年末に0.95%に達すると予想した。

ワイルドカード

  債券トレーダーは米東部時間の4日午前8時30分(日本時間同午後10時30分)に財務省が発表する四半期定例入札計画に注目している。入札規模拡大を見込むTDセキュリティーズやシティグループ、ナットウェスト・マーケッツなどの見立て通りなら、長期債利回りが跳ね上がるもう一つの機会となる。ドイツ銀行とアマースト・ピアポント・セキュリティーズはさらに大幅な増額を予想している。

  一方、バークレイズやジェフリーズ、ソシエテ・ジェネラルなどの予想通り変更なしなら利回り曲線はフラット化する可能性がある。

  主要イベント満載の今週、最もストレスが少ないのは5日のFOMC決定で、エコノミストの大方は政策据え置きを予想する。ただ、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が午後の記者会見で、パンデミックの猛威に見舞われる米経済の支援で金融当局が取り得る措置に言及する可能性もあり、トレーダーは債券購入プログラムを巡る当局のプランを最も注視している。

  ヌビーン・アセット・マネジメントの債券戦略責任者、トニー・ロドリゲス氏は「FOMCでサプライズがあるとすれば、一段と緩和的なコメントか行動だが、当局は12月まで行動を待つ公算が依然として大きい」と述べた。

原題:
Bond Traders Face Whirlwind Week That’s Make-or-Break for 2020(抜粋)

(四半期定例入札に関する各社の予想などを追加して更新します)
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