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日本株、勝負の分かれ目-バイデン米大統領誕生のインパクトを予測

  • 大型投資予定する環境政策、関連技術持つ日本メーカーに恩恵か
  • 薬価引き下げや優遇税制撤廃なら医薬品関連銘柄には打撃に

11月の米大統領選挙で民主党候補のバイデン氏が勝利するシナリオでは、日本のバリュー系銘柄や環境関連銘柄が勝ち組、医薬品が負け組となる公算が大きい。

  米大統領選挙を控え投資家はリスク資産投資に消極的で、TOPIXと日経平均株価の両指数は依然としてレンジ相場で推移している。こう着が続く中、ストラテジストやアナリストは、大統領選によってどの銘柄が恩恵を受けるのかに注目。バイデン候補が2兆ドルを投じるとする環境政策は、関連技術を持つ日本の電子機器メーカーに注目が集まる。一方で薬価引き下げ方針は製薬会社に打撃となる可能性が高い。

  日本時間26日時点の米政治サイト、リアルクリアポリティクスの世論調査によると、バイデン氏は7.8ポイント差でリードしている。

  大統領選で注目すべき日本の主要セクターやテーマは以下の通り。

バリュー株

  ゴールドマン・サックス証券アナリストの建部和礼氏らは14日付のメモで、民主党が大統領選に勝利し、議会でも多数派を掌握するという「ブルーウェーブ」のシナリオが考えられ、投資家にバリュー株投資を促す可能性があると記述。大規模な財政政策によるマクロ成長の加速と金利上昇はバリュー株がアウトパフォームするための典型的な条件で、景気循環型銘柄に入れ替えることで日本株は良いパフォーマンスを発揮する可能性が高いと指摘した。

バイデン氏勝利のシナリオ

環境関連株

  米国がパリ協定に再参加し2050年までに温暖化ガス排出量ゼロを目指すバイデン氏の政策は、環境関連技術を持つ日本企業にもチャンスとなる可能性が高い。日本株への影響が最も大きい分野だと、SMBC日興証券の圷正嗣チーフ株式ストラテジストは12日付のメモで指摘している。

  特に、日本の電子部品メーカーの軽薄短小、低消費電力化技術が不可欠で、産業用エレクトロニクス企業のパワー半導体(車載、鉄道、産業向けなど)が恩恵を受ける見通し。日本の自動車ではHVの台数成長に加えて電動化技術が求められる公算が大きいと同氏。

  主要銘柄:レノバ、東京ガス、大阪ガス、日本電気硝子、日本電産、村田製作所、太陽誘電

銀行、保険

  SMBC日興の圷氏によると、金融業にとってはプラスとマイナスの両方の側面がある。マイナスの側面は、メガバンクグループに対する規制・監督の再強化リスクや、トランプ法人税減税によって実効税率を大きく低下させた反動が出る恐れがあること。一方で、バイデン氏の財政支出がイールドカーブのスティープ化につながればプラスに働く。まずプラスの側面の影響が表れ、次にマイナスの側面が意識される可能性があるという。

  ゴールドマンのストラテジストは14日付のメモで、銀行と保険セクターは長期的な米国の金利上昇環境の中で恩恵を受ける可能性があると記述している。

  主要銘柄:三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京海上ホールディングス、第一生命ホールディングス

医薬品

  消費者への直接広告に関連する経費控除を認めている税制優遇措置がバイデン氏の主張通り廃止されれば、米国で広告を打っている大日本住友製薬や大塚ホールディングスなどの製薬会社に悪影響を与えると、ジェフリーズ証券アナリストの三浦直弥氏らが19日付のメモに記述。日本の製薬会社の株価はここ2カ月間、TOPIXのパフォーマンスを下回っており、その要因の1つは大統領選でのバイデン氏勝利による政策の厳格化リスクと指摘している。

  主要銘柄:大日本住友製薬、大塚ホールディングス、武田薬品工業、アステラス製薬

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