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中国と欧米の債券保有者、途上国債務巡り疑心暗鬼-意思疎通欠く

  • ザンビア債務見直し交渉、「新しい時代の始まり」-ブッフハイト氏
  • 中国が債券保有者に求めているのは中国のリードに従うこと

ザンビアが15年前に対外債務を巡り金融機関や欧米各国の政府と再交渉した際、ほとんど問題はなかった。

  だが今は状況が異なる。120億ドル(約1兆2600億円)規模の債務見直し交渉で、中国と債券保有者が新たな有力なプレーヤーとして浮上している。

  ザンビアを真ん中に挟み、中国政府がニューヨークやロンドンの資金運用担当と争う構図だ。この対立の結果が、今後起き得る債務危機に途上国がどのようにして対処するかを決定付ける可能性もある。

  債務再編の弁護士として世界的に知られるリー・ブッフハイト氏は「複数の国家債務案件があり、ザンビアの例は今後数年誰もが指摘するようになる公算が大きい」と述べ、 「新しい時代の始まりだ」との見方を示している。

  エチオピアやケニア、コンゴ共和国は、高水準の対中債務を抱える財政難のアフリカ諸国の一角だ。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で問題はアフリカ以外にも拡大。世界銀行のチーフエコノミスト、カーメン・ラインハート氏が共同執筆した研究報告によれば、モルディブやキルギス、ベネズエラも中国からの借り入れに特に大きく頼っている。

  ザンビア債務の対立で中核にあるのは、返済猶予で合意しても、浮いた資金が他方の返済に回されるのではないかとの疑心暗鬼で、双方に不信が広がる。債券保有者は20日、利払いに関する重要な投票を取りやめ、次回会合を11月13日に開くことを決めた。

Racking Up Debt

Africa's Eurobond issuance has climbed alongside borrowing from China

Source: Johns Hopkins University, Bloomberg

*Data shows total loans and bonds extended per year

  中国は国際通貨基金(IMF)と世銀を上回り、非民間として世界最大の貸し手となった。ラインハート氏の研究報告によると、ここ20年間のアフリカやアジア、中南米での道路・空港・病院建設ファイナンスで、中国の対外融資・貿易クレジットは2018年に1兆6000億ドルと世界GDP(国内総生産)の2%近い規模に膨らんだ。1998年はほぼゼロだった。

  デロイトの新興国市場・アフリカ担当マネジングディレクター、マーティン・デービス氏は「台頭し続ける大国として中国はアフリカで民間の債券保有者とは全く異なる目的を持っている」と分析。目的が異なるだけではない。両者間に意思疎通もほとんどない。

Walls of Debt

Angola leads the pack of African nations in hock to China

Source: China Africa Research Initiative, Johns Hopkins University

Note: Data reflects total loan commitments, not outstanding loan stock; portions of loans have been repaid and some signed commitments haven't been disbursed.

  ロンドンに本社を置くファラロン・キャピタル・ヨーロッパのパートナーでアフリカの借り手と定期的に協議する民間債権団の一員であるラーズ・ベイン氏は、「われわれや他の債券保有者は懸命に中国に関与しようとしている。解決策に向けて協力できるようなコミュニケーション改善が、誰にとっても現在の沈黙より確実に有益だろう」と話す。

  貧困国向けの救済措置で中国が債券保有者に求めているのは、中国のリードに従うことだ。中国外務省の趙立堅報道官は12日、中国輸出入銀行が返済条件緩和でアフリカ11カ国と調印したと発表。同省のアフリカ部門責任者の呉鵬氏は20日のツイートで、ザンビア政府の全債権者を平等に扱うという原則を支持すると表明した。

原題:China’s Feud With Bondholders Could Reset Debt Workout Rules(抜粋)

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