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中国、新成長プランで10年以内に米経済抜く公算も-摩擦激化不可避か

  • コロナから立ち直る中国経済-警戒強める米の対中姿勢は変わらずか
  • 「中国製造2025」に強い反発-次期計画は明確さや具体性欠く可能性

中国共産党は26日から北京で開く重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)で、次の段階の経済発展計画を立てる。誰が勝利しても中国の台頭に抵抗感を持つ点は変わらないとみられる米大統領選が目前に迫る中での会議となる。

  5中総会で討議される第14次5カ年計画(2021-25年)は技術のイノベーションや経済の自立、環境対策の強化が柱となる見通し。また、習近平総書記(国家主席)はテクノロジーなど戦略産業で世界の主導権を握り、中華民族の復興という公約を果たそうとしており、今後15年の長期目標も設定することになるだろう。

中国は経済の自立目指す、今後5年の青写真策定へ-26日から5中総会

  新型コロナウイルス感染拡大の衝撃からいち早く立ち直りつつある中国経済がここ数年の成長軌道を維持できれば、10年以内に米国を抜く見込みだ。米国との摩擦がこれまで以上に激しくなるとの見通しから、習氏は世界経済の変動から中国を守る計画を加速させる方針だ。

  北京に拠点を置くプライベートエクイティー(PE、未公開株)ファンド、春華資本(プリマベーラ・キャピタル)の創業者、胡祖六(フレッド・フー)氏は「現在の世界情勢を巡る中国の現実主義的な再評価を反映している」と指摘する。

  かつて国際通貨基金(IMF)に勤務し、ゴールドマン・サックス・グループで中国担当責任者も務めた胡氏は、「自立とは研究開発やイノベーションへの投資を通じて特定の能力を国内で伸ばすということであり、外部の不確実性に対する必要かつ周到な対応だ」と評価。その一方で、「中国が長年にわたる『対外開放』政策を否定し、内向きになるという意味ではない」とも語った。

  習氏らは最近、中国経済の一段の対外開放を強調しており、世界が次期計画をどのように受け止めるのかとの懸念を反映している。習主席は深圳での今月の演説で、技術のイノベーションを推進する方針を示したが、「新たに開かれた経済システム」を望んでいると明言し、全体のメッセージを和らげた。

習主席、世界のテクノロジー競争で主導権目指す-改革開放は変わらず

  これまでの「中国製造2025」戦略はトランプ政権内の通商政策のタカ派を刺激するなどして姿を消すことになった。

  戦略技術への中国のアクセスを制限する動きは米国やオーストラリアなどで広がりつつある。トランプ大統領の厳しい対中姿勢には今や党派を問わず支持があり、中国の発展を抑える目的で同盟国をまとめる効果という点では、民主党の大統領候補であるバイデン前副大統領の方が上ではないかと懸念する中国当局者もいる。

  香港大学アジアグローバル研究所の所長で、国務院(政府)のアドバイザーを務めた陳志武氏は次期計画について、「明確さは乏しくなり、以前のような具体性もなくなるだろう。中国製造2025計画は中国に相当な面倒をもたらし、米国からの反発を勢いづけた側面があるためだ」と指摘。「このため、次期計画は大まかなガイドラインが中心となり、詳細についても曖昧にとどまると見込んでいる」と述べた。

原題:
China’s New Growth Plan May Push Economy Past U.S. Within Decade(抜粋)

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