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米国債のビッグショートに懐疑論、先物オプション市場で顕在化

  • 民主党が大統領選と議会選を制する「ブルーウェーブ」観測に疑念
  • 共和党が上院制すれば一部の投資家が国債に戻る可能性-みずほ

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11月の米大統領・議会選で民主党が圧勝するとの見方を背景に積み上がった米長期国債の大きなショートポジションを巡り、金利トレーダーが疑問視する動きを見せ始めている。

  米国債先物のオプション市場では、年末に向けた利回りの大幅上昇やボラティリティー急伸が生じない方向に賭ける取引がここ1週間に浮上。具体的には、10年債金利が現行水準より約20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)弱高い1%程度で頭打ちとなれば利益が見込める取引がそうだ。大統領候補者による最終討論会翌日の23日にこうした取引が散見された。

   世論調査では、民主党が下院で過半数を維持した上で、大統領選と上院選の両方を制する可能性が示唆されており、コロナ禍からの景気回復に拍車を掛ける大型経済対策を民主党が議会を通過させることができるとの見方が従来優勢だった。

  これとは逆のシナリオを想定するオプション取引の見立てが正しければ、米国債は急激に方向転換する可能性がある。レバレッジを使った投資家は債券先物の先安観に基づきこれほど大きく賭けたことはこれまでない。現物市場では10年債利回りは23日に一時4カ月ぶりの高水準に達したが、トレーダーの一部には逆張りも一つの手だとの見方がある。

  みずほインターナショナルのロンドン在勤マルチアセット戦略責任者ピーター・チャットウェル氏は、ホワイトハウスと上下両院を全て民主党が制する「ブルーウェーブ」が実現し、巨額の景気対策でインフレ圧力が生じるというのが今は非常に一般的な見方だと指摘。しかし、異なる選挙結果となるか、投票日前に世論調査結果が変化し始めれば、「一部の投資家が国債に戻ってくる可能性はある」と予想した。

  10年債利回りは23日終了週に約10bp上昇し0.84%を付けた。上げ幅は8月以来最大。30年債利回りは約11bp上昇し1.64%で、5年債との利回り格差は2016年以来最大となった。

  26日からの週の注目点の1つは、米国内総生産(GDP)統計だ。ビジネスの再開を背景に7-9月(第3四半期)GDPは前期比年率31.8%増と目を見張る伸びが見込まれている。予想を上回る数字が出れば、利回りに押し上げ圧力がかかる可能性がある。

Long-end shorts building in Treasuries, while hedge costs accelerate

原題:
The Big Short in Treasuries Is Showing Some Pre-Election Cracks(抜粋)

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