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米大統領選の最終討論会、汚職やコロナ、納税申告書巡り激しい論戦

更新日時
  • 両候補は冒頭は発言ルール順守し論戦、初回討論会の混乱踏まえ
  • バイデン氏、コロナ感染22万人死亡でトランプ氏非難

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11月の米大統領選を前に最終テレビ討論会が22日夜、テネシー州ナッシュビルで開かれた。民主党の大統領候補ジョー・バイデン前副大統領は冒頭、新型コロナウイルス感染で米国民22万人余りが死亡したとしてトランプ大統領は再選に値しないと非難した。

  バイデン氏は「これほど多くの死者が出た責任を負う人物が米国の大統領にとどまるべきではない」と述べ、「われわれは暗黒の冬に向かう。トランプ氏には明確な計画がない」と指摘した。

  9月に開かれた最初の大統領候補討論会ではトランプ大統領がバイデン氏の発言を繰り返し遮り、バイデン氏は大統領を「愚か者」と呼んで「黙れ」と反論するなど混乱が見られた。最終討論会は対照的に、両候補とも相手の冒頭発言は遮らないルールを順守する形で始まった。

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テネシー州ナッシュビルで開かれた最終討論会に臨んだトランプ大統領とバイデン前副大統領(10月22日)

  バイデン氏は全ての米国民にマスク着用を促し、新型コロナ感染前も後にもめったにマスクを着用しないトランプ氏との違いを強調した。パンデミック対応を巡り守勢に立たされたトランプ氏は、フロリダ州やテキサス州などでは感染急増が落ち着いてきており、米国は「転換点を迎えている」と指摘。「私は感染して入院したが、回復した。回復する人は増えている。われわれの問題は世界的な問題だ」と述べた。

外国資金疑惑で非難の応酬

  討論会では両候補が外国勢力からひそかに利益を得たとする汚職疑惑について非難の応酬を繰り広げた。

  バイデン氏は外国から支払いを受けたことは決してないと述べ、トランプ氏が納税申告書を公表していないことに触れて「何を隠しているのか」と追及した。

  トランプ陣営は討論会前に同行記者団に、バイデン氏および息子ハンター氏と中国での事業について協議したと主張するトニー・ボブリンスキー氏を紹介していた。

  外国からの資金受領疑惑をトランプ氏が討論会で取り上げると想定していたバイデン氏は、大統領より前にこの問題に触れ、息子のハンター・バイデン氏のビジネスに関する確証のない疑惑でロシアの偽情報の拡散を促したとして、大統領と側近を批判した。

  バイデン氏は「外国勢力が米国の選挙結果に干渉しようとしている状況にある。トランプ氏の側近のルディー・ジュリアーニ氏はロシアの手先として使われている」と指摘。これに対し、トランプ氏はバイデン氏がロシアから350万ドル(約3億7000万円)を受け取ったと根拠のない主張をして反論した。上院共和党の9月の報告書では、ハンター氏が元モスクワ市長の妻から350万ドルの支払いを受けた疑惑が記されていた。

  両氏はいずれも相手方の疑惑に関する具体的な証拠は提示しなかったが、バイデン氏はトランプ氏の税務書類に関するニューヨーク・タイムズ紙の報道に言及し、「彼が根拠のない話を持ち出す理由がある」と語った。

  また、トランプ氏が成功のバロメーターとして株式市場の高値更新に頻繁に着目する姿勢をバイデン氏はたたいてみせた。「彼が当選すれば株式市場は暴落する。大物アナリストがそう言っている」とトランプ氏が述べたのに対し、バイデン氏は自身の出身地のペンシルベニア州スクラントンなどでは株式投資で生計を立てる人はいないと反論した。

石油からの転換

  エネルギー政策を巡っては、トランプ陣営がバイデン氏から同氏に不利となる言質を取ったと受け止める場面もあった。

  トランプ氏がバイデン氏に対し、石油産業を閉鎖させるつもりかと尋ねたの対し、バイデン氏は「そうだ。石油産業からの転換を図るつもりだ。石油産業は多大な汚染を引き起こしている。将来的には再生可能エネルギーで置き換えなければならない」と答えた。

  トランプ氏はこれを受け、「彼が話したのは基本的に石油産業をつぶすということだ。テキサス、ペンシルベニア、オクラホマ、オハイオの各州よ、これを忘れないでほしい」と、石油産業を擁する各州の有権者に念を押した。

  バイデン氏は討論会後に記者団に対し、2050年までは化石燃料産業がなくなることはなく、石油産業の労働者が「失職することはない」とし、ステージ上での発言のトーンを弱める姿勢を示した。バイデン氏はその上で、自身の計画は「はるかに多くの雇用が他の代替産業で創出されることを意味する」と強調した。

北朝鮮

  バイデン氏は北朝鮮について、金正恩朝鮮労働党委員長が核削減に行動する場合に限って同委員長に会えると述べた。トランプ氏は現職の米大統領としては前例のない北朝鮮指導者との会合を18年以降に複数回持ったが、顕著な非核化の動きにはつながっていない。バイデン政権が誕生すれば、米国の北朝鮮政策は従来の路線に戻りそうだ。

  金委員長に会うかとの質問に対し、バイデン氏は委員長が「核の能力を縮小すると合意する条件の下で」実現するだろうと答え、「朝鮮半島は非核地帯であるべきだ」と付け加えた。

原題:Trump, Biden Spar Over Graft, Covid, Racism But Keep Gloves OnTrump Seizes On Biden Oil Comment to Warn Swing State Voters (1)Biden Says He’d Meet Kim Jong Un Only If Nuclear Arsenal Reduced(抜粋)

(北朝鮮に関するバイデン氏の発言を追加して更新します)
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