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デジタル通貨実験にスピード感、国民の理解必要-日銀決済機構局長

  • CBDC需要が急速に高まる可能性も、金融政策に利用する考えない
  • ノンバンクとの当座預金取引、財務の健全性など踏まえて考える

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日本銀行の神山一成決済機構局長は、2021年度の早期に開始を目指す中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験にスピード感を持って取り組む考えを表明する一方、導入に際しては国民の理解が十分に得られることが大前提になるとの見解を示した。


  神山氏は22日のインタビューで、個人や企業など幅広い層の利用を想定した一般利用型CBDCは「どこかの時点で国民のニーズが急速に高まる可能性がある。金融の将来のためにしっかり今から準備していくことは日本銀行の責務と考えている」と語った。

BOJ Kazushige Kamiyama

神山決済機構局長 (22日・都内)

Photographer: Sumio Ito/Bloomberg

  
  概念実証から始める実証実験については「相応のスピード感を持ちつつ段階的・計画的に進めていく。すでに準備作業に取り掛かっている」と説明。必要と判断された場合に行う民間事業者や消費者など幅広い主体が参加するパイロット実験は「CBDCの導入を相応に意識したものになる」との見方を示した。

  実際の導入には「かなり高度な判断を要する」とし、「最終的に国民の十分な理解が得られ、メリットが大きいと確認できないと進めない。CBDCの発行ありきではない」とも指摘した。

日銀のCBDC実証実験に関する記事はこちらをご覧ください

  CBDCを巡っては、中国がデジタル人民元の発行に向けて既に市民参加の実証実験に入るなど先行しており、日米欧も検討を急いでいる。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁は今月13日の会議後の共同声明で、CBDCが透明性、法の支配、健全な経済ガバナンスの3条件を満たすよう求めた。

日本はなお現金主流

現金流通残高の対名目GDP比率

出所:国際決済銀行(BIS)

備考:BIS決済・市場インフラ委員会の2018年のデータ

  神山氏は、具体的な発行形態は銀行預金からの移行の可能性など信用創造機能への影響を回避する観点から「発行額や保有額に制限を設けた上で、支払い決済手段の役割をCBDCに担わせることは考えられる」と言及。付利についても「金融政策のためにCBDCの付利を利用するという考え方ではない。銀行券との併存を示している以上、マイナス金利付与が当面の検討の中で論点になることはない」と語った。

  日銀が検討しているCBDCは、民間金融機関などを通じて発行する「間接型」が基本。神山氏は「利用者とのインターフェースの構築に対応する役割分担を果たせるのであれば、仲介者は銀行だけでなくフィンテック企業などノンバンクもなり得る」とし、当座預金取引を行うかは「日銀の目的達成に資するか、財務の健全性と事業態様を整えているかなどを踏まえて考えることになる」と述べた。

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