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イランが偽メール、トランプ氏への打撃図り-米国家情報長官 (訂正)

訂正済み
  • ロシアとイランが有権者の情報入手、大統領選への介入可能に
  • ラトクリフ国家情報長官が国民に注意を喚起-イランは反論

ラトクリフ米国家情報長官は21日、イランとロシアが11月の米大統領選挙への介入を試みていると警告するとともに、イランが既に米有権者に対する虚偽情報の拡散を行っていると指摘した。

  ラトクリフ氏は同日夜に急きょ記者会見し、「有権者の登録情報の一部をイラン、そしてロシアが入手したことを確認した」とした上で、「こうしたデータにより外国勢が偽情報を伝えようとするのが可能になる」と説明。「われわれを害しようとする勢力に対する防衛で、全国民にそれぞれの役割を果たすよう求めたい」と呼び掛けた。

  問題の重大性を理由に米当局者が匿名で明らかにしたところでは、イランなどが入手した有権者情報は公表されているものであり、ハッキングは関わっていなかった。イランは民主党支持の有権者に対し、極右団体「プラウドボーイズ」をかたって脅迫的な電子メールを送付してきたという。

  レイ米連邦捜査局(FBI)長官と会見に臨んだラトクリフ氏は、イランがトランプ大統領の再選の取り組みを阻害しようとしていると発言。「有権者を脅し、社会不安を醸成し、トランプ大統領に打撃を与えようと意図し、イランがなりすましメールを送付したことをわれわれは既に確認している」と述べた。

  ラトクリフ氏はテキサス州選出の下院議員出身で、自身を「魔女狩り」の被害者だと主張するトランプ大統領を熱烈に支持してきた。ラトクリフ、レイ両氏とも記者団の質問を受け付けなかった。

  イランはトランプ大統領が核合意を離脱し、経済制裁を強化したほか、イラン革命防衛隊コッズ部隊のソレイマニ司令官を殺害したとして同大統領を敵視してきた。

  米サイバーセキュリティー会社ファイアアイのシニアディレクター、ジョン・ハルトキスト氏は発表資料で、今回明らかになったイランの介入について、「米民主プロセスへのイランの介入意欲に関するわれわれの理解を根本的に変えるものだ」と指摘した。

  ニューヨークのイラン国連代表部は声明で、同国には「米国の選挙に干渉する利害も、その結果に対する好みもない。米国はイランに対する悪意のある危険な非難をやめるべきだ」と反論した。

脅迫メール

  フロリダ州の地元メディアは20日、民主党を支持する有権者にプラウドボーイズをかたった脅迫メールが届いたと、先に報じていた。メールの件名には「トランプ大統領に投票した方が身のためだぞ!」と書かれていたという。

  サイバー調査会社プルーフポイントに届いたメールの1つには、「投票日にトランプ氏に投票しなければわれわれはあなたを追い掛けるだろう。このメッセージを受け取り、指示に従う意思があるとわれわれに分かるよう、所属政党を共和党に変えなさい。私があなたならこれを真剣に受け止めるだろう」とあった。

  ラトクリフ氏はこの日の会見でロシアにはわずかしか触れなかったが、米情報当局は8月の報告で、大統領選でトランプ氏に挑む民主党のバイデン前副大統領を「主に中傷するためロシアがさまざまな措置」を講じ、ソーシャルメディア上でトランプ氏に有利になるよう画策していると分析していた。

  上院情報特別委員会のルビオ委員長(共和)とワーナー民主党筆頭理事は共同声明で、「われわれに敵対する海外の勢力が、有権者の意思表明の記録と適切な報告でわれわれが頼る選挙制度・インフラなど民主制度への有権者の信頼を失わせ、混乱を引き起こそうとしている」と警告した。

  この会見の直前、トランプ大統領が選挙後にレイ長官を解任することを検討していると米紙ワシントン・ポストが報じた。トランプ大統領はFBIがロシア疑惑の調査に乗り出したのは自分に対する偏見のためだと主張しており、レイ長官がこれを裏付ける証拠を出さないと非難してきた。

原題:U.S. Official Says Iran, Russia Trying to Interfere in Election(抜粋)

(第3段落と第9段落の団体を「プラウドボーイズ」に訂正します)
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