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高リスク資産が米国債の役割を奪う-新時代の60・40ヘッジ戦略

  • 株式60%・債券40%という伝統的な投資戦略が変化を迫られている
  • オプションや通貨などよりリスクの高い資産を試す投資家もいる

投資家は新しいヘッジ手段を熱心に探し求めている。

  超低金利の世界での利回り追求について多くが語られているが、米国債のバリュエーションからみて、株式相場が下落した場合にそれを相殺できるほどの値上がり余地はほとんどなさそうだ。米金融当局が予見し得る将来にわたって金利をゼロ付近に据え置く見通しの中で、株式60%・債券40%という伝統的な投資戦略は変化を迫られている。

  多くの投資家は、ファンドの約款に縛られているか、他のヘッジ手段を試すリスクを冒す価値があると確信が持てないなどの理由で米国債から離れられないでいる。

  しかし、米国債が何十年も担ってきたポートフォリオ保護の役割を補完したり、それに代わるものとしてオプションや通貨などよりリスクの高い資産を試す投資家もいる。このトレンドは米金融当局の金利政策によるリスクを浮き彫りにする。

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  グレンミード・インベストメント・マネジメントの債券担当ディレクター、ロブ・デーリー氏は「安全という債券の価値は失われた」と指摘。「ヘッジをするのは信じられないほど困難で、実際ほぼ不可能だ。結局のところ、機能するヘッジ手段がほとんどない」と語った。

  長期にわたる実績を考えると、伝統的な60・40戦略を軽々しく捨てることはできない。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中でも60%をS&P500種株価指数に、40%をブルームバーグ・バークレイズ・米国債指数に割り当てたポートフォリオの今年これまでのリターンは約9%と、1980年代以来の年間平均の約10%とほぼ一致する。

  それでも、3月の株式・米国債同時一斉売りは2つの資産が常に逆相関の関係にあるわけではないことを示した。9月の最初の3週間にS&P500種が約10%下落した時も、米10年債と30年債は値上がりしなかった。JPモルガン・チェースのクロスアセット・ファンダメンタル戦略責任者のジョン・ノーマンド氏はこれを「極めて異常で不安」な現象と呼んだ。

  「株式のリスクをヘッジするために債券を保有している投資家は、株式が値下がりした時に債券からのキャピタルゲインを当てにできなくなった」と同氏は述べた。

  米国債以外のヘッジ手段は、他の通貨に対する円、新興市場に対するドル、ドルに対する金などだが、これらはいずれも歴史的に見て米国債ほど頼りにならず、「問題がある」とノーマンド氏は言う。「投資家は代替資産を保有する必要があるが、その一つ一つは不完全だという事実を踏まえ複数の代替資産を保有する必要があるだろう」と同氏は述べた。

  利回り追求のためにせよヘッジのためにせよ、一部の年金基金と保険会社は固定利付き商品の中でもリスクの高いレバレッジドローンやローン担保証券(CLO)、プライベートデットなどに手を広げている。

  また、スワン・グローバル・インベストメンツでは最近数カ月に株式オプションを使ったヘッジ戦略への需要が急増したと、ランディ・スワン社長が明らかにした。「伝統的な60・40のポートフォリオ構成が今後は過去のようなパフォーマンスを見せないだろうという認識の広がり」が、異なるヘッジ戦略への関心を高めていると同氏は語った。

With rates near zero, the scope for Treasury gains is now more limited

原題:
In New 60/40 Portfolio, Riskier Hedges Are Displacing U.S. Debt(抜粋)

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