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ECB、インフレ回復に向け独自の道-「平均」ではなく「中期的」目標

  • 「2%前後」が新目標か-現行より分かりやすいものが必要と認識
  • 目標上回るインフレ容認でインフレ期待押し上げ図る作戦

欧州中央銀行(ECB)が見直しを進めるインフレ押し上げの戦略が形を成しつつある。すでに明白とみられるのは、ECBが米連邦準備制度と同様に、インフレ率が目標を下回った時期の後には一時的に目標を上回るインフレを容認するだろうということだ。しかし、ECBは一定期間の平均のインフレ率を目標とすることにした米当局を単純に模倣するつもりはない。

Inflation Record

  ECBは21日に、物価安定への市民の信頼を回復させる機会を持つ。ラガルド総裁とチーフエコノミストのレーン理事が対話集会に参加する。このイベントは、今年初めに戦略検証が開始されて以来の当局者多数からの主張を後押しすることになるだろう。ECBには現行の「2%弱」よりも分かりやすいインフレ目標と、それを達成する戦略が必要だということだ。

  ユーロ圏の消費者物価上昇率は1999年のECB創設から2008年の金融危機までは平均で2.2%。それ以降は、大規模な金融緩和にもかかわらずその半分程度で推移し、現在はマイナスになっている。政策金利はすでに過去最低のマイナス0.5%であり、ECBが取れる手段は数少ない。

  新しい目標は「2%前後」となり、高過ぎても低過ぎても中銀は行動すべきだというものになるとみられている。当局が柔軟に対応できるように中期の目標とされる見込みだ。

  インフレ回復にはインフレ期待のコントロールが鍵になる。期待を高めることができると当局者が考えている1つの方法が、ECBは目標より高いインフレ率を将来に容認すると周知させることだ。2%を中期的な目標であって上限ではないと考える手法であれば、2%を超えた時点で自動的に引き締めが始まるという観測を防げる。

  これは、将来の高インフレを過去の低インフレと明示的にリンクする米当局の平均インフレターゲットと同一のものではない。

  最終的に、ECBのインフレ目標の変更は小さなものに見えるかもしれない。レーン理事は、インフレ目標の達成が確信できるまで低金利と量的緩和(QE)を続けるという現在のフォワードガイダンスが、インフレ期待を支えるのに大いに寄与すると考えている。

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原題:
ECB Carves Out Its Own Path in the Mission to Revive Inflation(抜粋)

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