コンテンツにスキップする

権力基盤固めの「習思想」、中国の全てに及ぶのか-26日から5中総会

  • 長期計画が練られる中で、習政権がどれだけ続くか示唆される
  • 習氏は党幹部に対して前例のない規模で懲罰的な調査を続けている

中国の習近平国家主席はどんなサイエンスフィクション(SF)がお気に入りか。天気予報の向上には習氏の政治理念をどう用いればいいのか。次の大地震に備えるため、「習思想」をどうやって役立てることができるのか。

  共産党の総書記でもある習氏を毛沢東初代国家主席と同列に並べようとする動きの中で、党の幹部たちが今、頭を悩ましているのはこんな問題だ。

  外交官やエグゼクティブ、そしてSF作家に至る誰もが、広範で曖昧な部分も多い習思想の信条をそれぞれの方針に組み込むよう圧力を受けている。そして、こうした考え方は月内に開かれる第19期中央委員会第5回総会(5中総会)を踏まえ公表される5カ年計画の青写真に書き込まれる見通しだ。

CHINA-HUNAN-XI JINPING-INSPECTION (CN)

湖南省の小学校を視察した習氏(2020年9月)

写真家:ゲッティイメージズ経由のLi Xueren / Xinhua

  中国の法律・統治を専門とするカール・ミンズナー米フォーダム大学ロースクール教授は「習氏個人を大きく目立たせることが主眼になっている」と指摘。 習思想「学習の命令がテレビで伝えられるたびに、党の文書に書き込まれるたびに、誰がトップで、誰の命令が本当に重要かを示す極めてはっきりとしたシグナルが党員と市民に発せられている」と述べる。

  習思想を生活のほぼ全ての側面で指針とする取り組みは、北京で26-29日開催される5中総会で取り上げられる。2035年まで続く長期的な計画が練られる中で、習氏(67)がどれだけ長く政権にとどまり得るかが示唆されることになる。

  「できるだけ多くの場所で習氏の政策目標への忠誠を示すことで権力基盤を固める1つの手法が習思想」と分析する米ピーターソン国際経済研究所のマーティン・チョーゼンパ調査研究員によれば、「ビジネス経済分野におけるその影響の特徴は、中国企業内での党委員会の役割拡大、資本アクセス確保における国有企業の復活、政府の考え方に沿ったコンテンツ統制のための特にテクノロジー企業に対する管理の厳格化」だ。

CHINA-SHENZHEN-XI JINPING-GRAND GATHERING-40TH ANNIVERSARY (CN)

深圳訪問(10月14日)

写真家:ゲッティイメージズ経由のJu Peng / Xinhua

  共産党のプロパガンダ(宣伝工作)で特別な意味を持つ「思想」という言葉を付けて呼ばれる指導者はこれまでは「毛沢東思想」の毛氏だけだった。1970年代後半に改革開放路線を敷いた鄧小平氏でさえ「鄧小平理論」だ。

  習氏が党幹部に対して前例のない規模で懲罰的な調査を続ける中で、習思想批判は選択肢ではなくなった。国家監察委員会はウェブサイトに掲載した複数の声明で、習氏の考え習得・実践が「十分でない」としてこれまでに20の中央政府機関に警告を発したことを明らかにしている。

CHINA-BEIJING-LEADERS-MARTYRS' DAY-CEREMONY (CN)

北京の天安門広場で(9月30日)

写真家:ゲッティイメージズ経由のXie Huanchi / Xinhua

  中国気象局は8月、国内外の情勢に関する習氏の発想を仕事に適用する上で問題があるとされ、中国地震局は災害予防策に習思想を十分に反映させていないとして厳しく批判された。急成長を見せる中国SF界の作家やプロデューサーは業界の公的組織から習思想を理解し、中国をSF大国にするよう促された。

  つまり、自らの統治を確実にするために必要だと習氏が考えるものであれば、それが何であれ全てが習思想の対象になり得るということだ。

  「習氏が10年を超えて、恐らく20年間は統治したいと考えていることは全てのシグナルからかなり明白なようだ。そうした長きにわたって権力を維持するには、権力基盤を強固にする必要がある」と香港中文大学中国研究センターのウィリー・ラム非常勤教授は話している。

原題:Rise of ‘Xi Thought’ Shows Long Future for One-Man Rule in China(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE