コンテンツにスキップする

大樹生命:超長期債を数百億円増、ヘッジ外債は削減-20年度下期計画

大樹生命保険は2020年度下期(10月-21年3月)の運用計画で、利回りが緩やかに上昇してきた国内の超長期債の保有残高を積み増す。為替差損の回避措置(ヘッジ)を講じる外国債券の残高は削減を続け、債券ファンドを通じたESG(環境・社会・企業統治)関連は増やす方針だ。

  運用統括部の中村良樹部長は19日の電話インタビューで、ALM(資産・負債の総合管理)の観点から、日本国債の30年物や40年物の利回り0.6%台は「下期も残高を数百億円上乗せするには魅力的な水準」だと述べた。国内債券全体の残高は、保険契約者への支払いに満期償還資金の一部を充てるため、4月時点で通年数百億円の減少を見込んでいたが、利回り上昇を受けて上期は約330億円増加。従来、約500億円の残高減を計画していた下期は、100億円程度の減額にとどめる。

  一方、ヘッジ外債は償還で戻ってきた資金の再投資を抑制することで、残高を数百億円減らす。中村氏は「ヘッジ後の利回りが0.6-0.8%なら、さまざまなリスクを加味すると国内超長期債の方が妙味がある」と指摘。信用リスクの対価として高めの利回りを得られるクレジット物も新型コロナウイルスの感染拡大を受けた米欧の金融緩和によって上乗せ幅が縮小傾向にあり、米欧やオーストラリアの社債で投資機会があれば取り組む程度にとどめる。

  同社が保有するヘッジ外債の約25%は米国債やモーゲージ債、社債などのドル建て。残りはヘッジコストが安い欧州の国債、政府保証債や国際機関債、社債などのユーロ建てだ。為替ヘッジしない外債はドルと豪ドル建ての外貨保険販売との見合いで、下期も数百億円の残高増を見込む。外債とは別枠でESG関連の投資信託は数十億円、プライベートエクイティ(PE)投資は流通市場を対象としたファンドへの投資を計画している。

  新型コロナ下の世界経済について、中村氏は、景気回復と感染再燃の繰り返しで緩慢な成長と低金利が長期化し、リスク性資産は過剰流動性で高値で推移すると分析。米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱も含め、クレジット物では影響を受けにくい業種を選別し、国内株式の残高は横ばいにとどめる方針だ。

  下期の円相場は1ドル=101-111円と想定。上期より2円ほどドル安・円高に修正したが、中村氏は「円高が進めば日本銀行が追加金融緩和などに動くとみられるため、100円を割り込むとはみていない」と言う。運用環境全体として、米大統領選後や英国のEU離脱を巡る混乱などの「海外政治イベントを受けた市場の振れには注意が必要だ」とみている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE