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ECBは緊急購入拡大を急がず-新型コロナ感染急増、景気悪化でも

  • 決定は12月有利-最新経済予測が発表、米選挙など不透明要因も通過
  • コンセンサス重視のラガルド総裁の姿勢にも沿う

欧州では新型コロナウイルスの感染が急増し、景気が急激に悪化している。それでも欧州中央銀行(ECB)当局者らは、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大を急がない強い理由がある。

  感染急増は新たな社会的制限と経済活動への障害を意味するが、大半のメンバーは今月の政策委員会でPEPPを拡大したいとは考えていない。議論に関わっている関係者が匿名を条件に述べた。

  従って、拡大の是非を巡る決定は12月に下される可能性が高いことになる。最新の成長・インフレ予測が明らかになることや、政策委メンバーらが経済への打撃の度合いを見極める時間があることが理由だ。米国の選挙が終わり、欧州連合(EU)の財政パッケージと英国のEU離脱を巡る不透明も晴れているかもしれない。

  金融緩和拡大に全会一致の支持を得るのも12月の方が容易だろうと、ユーロ圏当局者が指摘する。政策決定においてコンセンサスを醸成する必要性を強調してきたラガルド総裁にとって重要なことだ。

  ECB報道官はコメントを控えた。

The euro-area inflation rate has dropped far below the ECB's goal again

  クノット・オランダ中銀総裁らは決定するまでにもっと情報が欲しいと述べている。10月に購入プログラム拡大を強行すれば、政策委員会内に分裂を生むリスクがある。これは市場へのインパクトを弱め政策行動にマイナスになる。

  ABNアムロのマクロ経済調査責任者、ニック・コーニス氏は「ラガルド総裁のECBはコンセンサス重視だ。コンセンサスをまとめるには時間がかかる。ラガルド氏が今すぐ行動を迫るとは思わない」と語った。

  エコノミストはECBが年内にPEPPの規模を1兆3500億ユーロ(約170兆円)から拡大するとみているが、現時点で使われているのはその半分に満たないため、拡大を急ぐ必要性がない。

  「12月には最新の経済予測が明らかになる。それに照らして、どの程度のパッケージが使い勝手がよく適切であるかをあらためて判断する」とデギンドス副総裁が今週述べた。

Long Way to Go

The ECB still hasn't spent even half of its pandemic emergency stimulus

Source: ECB

原題:
ECB Sees Reason Not to Rush Stimulus Despite New Virus Threat(抜粋)

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