コンテンツにスキップする

ウォール街、利益回復でも株主の懸念解消せず-株価は年初来で下落

  • 米銀は既に十分な貸倒引当金を積み増したと説明
  • 米銀の7ー9月利益は回復しているが、株価は依然後れを取っている

米銀の利益は新型コロナウイルス感染拡大前の水準に近づき始めているものの、投資家は業界の危機が過ぎ去ったとの見方を信用していない。

  大手米銀は今週の決算発表で、短期的な貸倒損失をカバーするために必要な引当金を大部分積み増したほか、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に伴うトレーディングブームから引き続き恩恵を受けていると説明した。ただ、5大米銀が7ー9月(第3四半期)利益の回復を明らかにしたにもかかわらず、株価は依然として後れを取っている。

  JPモルガン・チェースの資産運用部門のチーフストラテジスト、デービッド・ケリー氏は14日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで「金融機関の業績は実際にはかなり好調なのに、パンデミックの犠牲者であるかのように扱われている」と指摘した。

金融機関は「パンデミックの犠牲者であるかのように扱われている」とJPモルガンのケリー氏

出典:ブルームバーグ)

  市場は、新型コロナ感染拡大に伴い米銀が積み上げた500億ドル(約5兆2600億円)の貸倒引当金が恐らく戻ってこず、業界の痛みが先送りされただけだと示唆している。米経済対策を巡る協議のこう着のため、銀行幹部は多くの顧客に影響を与えている失業が落ち着くのに従来予想より長くかかる可能性を認めた。一部の銀行は、これまで小幅にとどまっていた貸倒損失が来年後半に拡大するとの見通しを示した。

  米銀は少なくとも今のところは好調だ。5大米銀の7ー9月の貸倒引当金の積み増し額は計1億7200万ドルにとどまり、4-6月(第2四半期)の280億ドルから99.4%減少した。一方、トレーディング収入は3四半期連続で20%余り増加した。

Done Adding

After huge increases in the first half, banks paused on adding to reserves

Source: Company filings

Note: Almost $11 billion of the increase in 1Q was due to the adoption of new accounting rules

  5大米銀の7ー9月の純利益は計232億ドルと、前四半期の3倍余りとなり、前年同期の水準と比較しても12%下回っているにすぎない。しかし、4大米銀の株価は年初来でいずれも27%超値下がりしている。業種別で銀行のパフォーマンスを下回っているのはエネルギーだけだ。

原題:
Wall Street’s Profit Rebound Fails to Assuage Wary Shareholders(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE