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SBIの北尾社長「一極集中リスク回避を」、東証障害後に首相に提言

  • 東京以外に金融拠点設置する必要性主張、国際金融都市構想とも関連
  • 今月中に新たな地銀数行への出資で合意も、第4のメガバンク構想

SBIホールディングスの北尾吉孝社長は、東京証券取引所がシステム障害で取引停止となった問題などを受け、株式市場の一極集中リスクを避ける必要性を主張する。こうした考えをすでに菅義偉首相に直接伝えた。また、同社が「第4のメガバンク構想」として進める地銀への出資については、今月中にも何行か新たな出資先が決まるとの見通しを示した。

  東証では1日、相場情報の配信に障害が発生し、現物株売買の終日停止という異例の事態に陥った。北尾社長は13日のブルームバーグの取材で「2度と起こらないようにすると言うが、3兆円の取引機会が無になったという事実自体が問題だ」と憤る。障害による取引の一時停止は過去に海外市場でも起きているが、私設取引システム(PTS)が「代替市場として吸収し、大問題にならなかった」と指摘する。

SBI Holdings CEO Yoshitaka Kitao Interview

インタビューに答える北尾社長(13日・都内)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  北尾社長は東証が大阪証券取引所と統合し、日本取引所グループが誕生したことで一極集中が加速したと批判。「金融庁は東証寄りで、独占を助長するような施策を続けてきた」と述べ、5日に菅首相と会食した際にこうした現状を「何とかしないと駄目だ」との認識を伝えた。SBIは国内PTSのジャパンネクスト証券に出資している。

  中国が香港への統制を強めていることで、香港に代わる国際金融都市として日本を売り込もうという機運が高まっている。菅政権はシンガポールなど競合国に見劣りする税制、制度面での改善に取り組む意向だ。

  誘致先として関西を支援する北尾社長は、東証問題への苦言を菅首相に伝えたのは一極集中リスクが国際金融都市構想と密接に関係しているからだとも述べ、新型コロナウイルス禍などによって都市全体が機能不全に陥る例もあるとし東京以外の金融拠点の必要性を強調した。

  SBIはすでに香港からの撤退を検討しているが、北尾社長は「中国との付き合いをやめるわけではなく、より深く付き合わないといけない」と述べ、今後は中国本土での進出強化を検討していく考えを示した。

地銀再編論で意見一致

  また、地方銀行について「数が多過ぎる」と発言している菅首相の再編論に触れ「多くの点で意見は一致している」と述べた。同社は地銀との連携による第4のメガバンク構想を掲げ、島根銀行など4行への単独出資を公表済み。出資先は10行程度を上限とする意向で、10月中に何行かの結論が出そうだという。

  参加行にはコスト引き下げによる経営改善のため、システムや通帳、現金自動預払機(ATM)など共通化できるものは共通化を提案する。一方、あくまで各行の自助を支援する立場だとし、出資先同士の合併を強制するつもりはなく、不参加行との合併なども妨げないとした。

  新生銀行への出資比率が高まっていることについては、純投資というこれまでの説明を繰り返した。ブルームバーグのデータによると、SBIは現在10.30%を保有し、事実上の筆頭株主である政府の保有割合(10.39%)に迫る。

  北尾社長は、株価が下落したため平均取得単価を下げる狙いで買い増しているとし、現状は政府の持ち株を超えるレベルまで急に引き上げるつもりはないと断言。一方で、保有目的が「未来永劫(えいごう)変わらないかどうかは分からない」と含みを持たせた。

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