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バフェット効果に息切れの商社株、公表前に早速逆戻りした銘柄も

  • 5社中4社は9月後半から株価伸び悩む、住友商事と伊藤忠は低調に
  • 景況感が予想ほど強くないことが株価の重し-ちばぎんAM・奥村氏

資産家ウォーレン・バフェット氏による60億ドル(約6300億円)規模の投資をきっかけに人気化した日本の商社株が、1カ月余りで早くも息切れの様相になってきた。

  バフェット氏が率いる米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイは8月31日(日本時間)、5%をわずかに上回る比率まで日本の5大商社株を取得したと発表。同日の商社株は住友商事が9.1%高するなど大幅高となったが、株価が持続することはなく9月後半には大半が水準を下げた。

  発表前の8月28日終値と比べ、住友商事は12日終値で0.7%安となっているほか、伊藤忠商事は12日に発表前水準を下回る場面があった。一時10%超の上昇を示していた三井物産は2.8%高、丸紅は3.5%高まで鈍化。半面、三菱商事は8.5%高と、この間のTOPIX上昇率(2.4%高)を上回る。

  ちばぎんアセットマネジメント調査部の奥村義弘氏は「商社株は景況感の回復から買われ、バフェット氏の投資も株価の見直し機会を提供した。しかし、景況感が市場が期待したほど強くないことで売られている」と述べた。さらにクリーンエネルギーに力を入れるバイデン氏の米大統領選優位も「原油市況などに連動しやすい商社株の不安定要素だ」と言う。

  商社の業績や株価に連動しやすいのは商品市況だ。代表的なブレント原油先物は4月安値から回復したが、世界的な供給過剰と需要回復の鈍化が懸念されて1バレル=40ドル台前半を中心に推移し、2月の50ドル台を回復できないでいる。

  岩井コスモ証券アナリストの西川裕康氏は「商社は勝ち組、負け組で分けて考えないといけない」と語る。「勝ち組の伊藤忠はおそらく投資家は材料待ち、決算発表待ちだと思う」とし、同様に三井物産と三菱商事も勝ち組とみる。半面、住友商事の今期業績は厳しいと予想する。

  また、SMBC日興証券の森本晃シニアアナリストは9月30日付リポートで、商社株の銘柄選別では「各社のファンダメンタルズに加え、バークシャー・ハサウェイによる買い増し候補先の選別という要素も一定程度考慮する必要性が出てきた」と指摘。キャリートレードでのスプレッドの担保・拡大やインフレヘッジの2点からは「伊藤忠、三井物産、三菱商事の3社が挙がる」としている。

  バークシャー・ハサウェイは5社の商社株について、長期保有を目的としており、価格次第では最大9.9%まで保有比率を高める可能性があるとした。ちばぎんAMの奥村氏は「景気や米中関係、エネルギー政策を見極めるため、米大統領選まで株価はもみ合うことになりそう」と前置きしながらも、「景況感の回復はまだ途上にあるため、もみ合い後は株価が再び上値を目指しても不思議ではない」ともみていた。

商社株はバフェット人気による上げの大半失う
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