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ブッシュ対ゴアと異なる様相、米大統領選後の法廷劇-郵送票影響

更新日時
  • 州裁判事の政治的構成が法廷闘争で誰が勝つか決める一因との見方も
  • 票そのものの有効性といつ到着したかが一般的な争点になりそうだ

新型コロナウイルスの感染が拡大した春以降、米国では郵送投票を誰が行えるか、どのように集計するかを巡り訴訟が相次いだ。

  法律専門家によれば、11月3日の大統領選後に広く予想される訴訟の「第2波」は、トランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領にとって開票結果を左右しかねず、負けられない激戦州での法廷闘争に両陣営は備えている。

  2000年大統領選ではフロリダ州の票の再集計差し止めを命じた連邦最高裁の判断が勝敗を分けた。民主党のゴア元副大統領の代理人を当時務めたデービッド・ボイズ氏は「ブッシュ対ゴアほど憲法上重大な訴訟は法廷で起きないだろう」としながらも、「既存の選挙法関連で、選挙委員会と裁判所に非常に重要な訴えが起こされると考える。十分な数の州がそれが問題になるほどの接戦になるだろう」と語った。

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デービッド・ボイズ氏

Photographer: Peter Foley/Bloomberg

  ニューヨーク大学のブレナン・センター・フォー・ジャスティスでデモクラシープログラムの責任者を務めるウェンディ・ワイザー氏は、トランプ大統領の陣営と共和党全国委員会による不在者投票制限の動きに言及し、既に起こされた訴訟が今後の展開を示唆すると分析する。

  ワイザー氏は「プロセスを早急に終わらせたり、票のカテゴリー全体の有効性を否定しようとしたりするため、大統領は集計の停止を強く求めるかもしれない。その場合、バイデン陣営は集計を再開させるために訴訟を起こす必要が出てくるだろう」と述べた。

  ケンタッキー大学法科大学院のジョシュア・ダグラス教授は、州裁判所判事の政治的構成もこれらの法廷闘争で誰が勝つかを左右する一因になると指摘。「ノースカロライナ、ペンシルベニア州は民主党寄りが多数派、ウィスコンシン州は厳密には無党派だが、共和党寄りが多数派だ。少なくともペンシルベニアとウィスコンシンでは、投票に関する訴訟でそれらの党派に有利な判決が既に出ている」と話す。

  票そのものの有効性と、それがいつ到着するかの二つが一般的な争点になりそうだ。一部の有権者が年齢や障害といった郵送投票を認める州の基準を満たしていないと候補者が主張するケースもあり得るだろう。

  共和党が一般に制限に動き、民主党は拡大の方向に動いてきたドロップボックス(投票回収箱)を巡り両陣営が争う可能性もある。ダグラス教授によると、大統領が不正を理由に特定のボックスからの全ての投票用紙の有効性に異議を唱え、選挙後に訴訟を起こすことも考えられる。

  米郵政公社が遅れを警告していることを前提とすれば、11月3日までに消印が押された郵送票が選管にその後殺到する場合もあり、受付期限を延長する動きが予想される。一部の州は既に期限延長を決めたが、さらに延ばすよう求める訴訟をワイザー氏は想定している。

  郵送投票の急増が不正投票の増加につながると主張する保守系のヘリテージ財団上級研究員ハンス・フォン・スパコフスキー氏は、今後の法廷闘争を見込む一方、開票を有利にするために共和党陣営が司法制度を乱用するとの見通しについては「パラノイド(被害妄想的)」と懐疑的だ。

Hans von Spakovsky

ハンス・フォン・スパコフスキー氏

Source: Heritage Foundation

  同氏は「行政上の過誤や不正の証拠があれば、彼らは訴えを起こすかもしれないが、根拠のない訴訟を提起しようとするとは思わない」との見解を示した。

原題:Close Election Would Spark a Legal War Over Swing State Votes(抜粋)

(投票回収箱を巡る係争の可能性などを追加して更新します)
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