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話題株:米成長期待で上場来高値迫るメルカリ株、マザーズで存在感

  • 新型コロナが一巡後もメルカリに追い風続く-アイザワ証の三井氏
  • 行き過ぎた期待感には警戒が必要とエース経済研の澤田氏

12日の東京株式市場でメルカリ株は一時前営業日比で6.8%高の5840円まで上昇、東証マザーズに新規上場した2018年6月19日に付けた最高値の6000円を視野に入れた。国内メルカリ事業だけでなく米国事業の成長期待も高まり、時価総額は約9000億円に成長。マザーズ指数のウエイトは10%以上を占めて存在感を強めている。

メルカリは年初来でマザーズをアウトパフォーム

  資金流入の続く東証マザーズ市場がメルカリ株にとって追い風だ。米国市場でGAFAなどが9月に入ってから急落するなど割高な成長銘柄がフラついていたが、「ガス抜き」は終わったとの見方がある。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、コロナが一巡した後もメルカリに追い風となる業況が続くとみて、業績が株価についてくるのを待って緩やかに上昇する相場となりそうだと話す。製造業のように大規模な設備投資の不要な電子商取引(EC)などライトアセットなビジネスを拡大できる企業は日本に少なく、投資資金が集中しているという。

メルペイで買ってメルカリに出品

  日本事業では、電子決済のメルペイを使ってメルカリへの出品拡大を狙う戦略の効果を期待する声もある。メルカリの利用者はメルペイを使って小売店で決済した際の情報を利用すると、メルカリに出品しやすくなる。出品しやすくなれば、モノが中古品としてメルカリで販売され、売買が繰り返されるサイクルは縮まる。

  例えば漫画など、読み終わった後にメルカリへの出品が繰り返されればメルカリはその都度手数料収入を得ることができる。エース経済研究所の澤田遼太郎アナリストはこの点について、メルカリはKPI(重要業績評価指標)を示しておらず、株価に織り込まれていないという。カードゲームやトレンド物の衣類など旬を過ぎると買い手がつかなくなる商材の難しさはあるが、こういった消費者行動に先駆けて追加される機能には大いに期待が持てるという。

Shintaro Yamada Interview As Mercari Battles to be Profitable Leader in Japan Mobile Payments

Shintaro Yamada at the company’s office on Sept. 15.

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  メルカリは利益相乗効果の見込める企業とM&Aや出資などにも取り組む構えだ。山田進太郎社長はブルームバーグとの9月15日のインタビューで「コロナ禍で新しいことをやりたい会社と組んで新しい仕組みを作っていくことができる状況になった」と話していた。

米国事業が拡大

  米国事業がコロナをきっかけに急成長している。4-6月期のメルカリ米国事業の月間流通取引総額の合計は前年同期比2.8倍の2億8400万ドルと急成長。メルカリが独自で算出したデータによると、3月第1週と6月最終週の出品数は53%増加。家具やオフィス用品が人気だった。米国の月間アクティブユーザー(MAU)数は420万人を超えた。山田社長は人口比では少なく、「まだまだメルカリが世の中に必要不可欠なプラットフォームにはなっていない」と拡大していく考えだ。

  4-6月期はコロナでアマゾンが日用品の購入などに制限したことがメルカリの利用を後押しした側面もあったため、7-9月期でコロナによる追い風が一過性だったかどうか見極める必要があると澤田氏は分析する。「4-6月期の成長で市場の目線は引き上がっている。月間流通取引総額の伸びが4-6月期の水準以上となれば成長の確度が高まり株価は一段と上昇するが、下回れば一服する可能性もある」ため行き過ぎた期待感には注意が必要だという。

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