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「プレステの父」久多良木氏、AIベンチャーでロボット開発に挑む

  • コロナ禍もチャンス、ニューノーマル時代に向けもっと導入をと意欲
  • 物流センターや工場で働くロボット開発、メーカーとの協業も模索へ

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ソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)の父」として知られる久多良木健氏がいま夢中になっているのは人工知能(AI)だ。8月にAIソフトウエアの開発を手掛けるスタートアップのアセントロボティクス(東京都渋谷区)の最高経営責任者(CEO)に就任した。

  アセントは産業用ロボットと自動運転車両向けにソフトウエアの開発を進めている。久多良木氏は、「ロボットとモビリティーの融合を考えたとき、テクノロジーが分かっている人間が引っ張らないと」とCEOを引き受けた。

PlayStation Inventor Ken Kutaragi Starts New Career Making Robots

久多良木健氏 (8日・都内)

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  「今までロボットが人間の仕事を奪ってしまうという議論があったが、リアルの日常生活にどんどん入ってこないとニューノーマル時代を迎えられない」と久多良木氏。主に人を介して感染する新型コロナウイルス禍でロボット需要が高まることも「チャンスだ」と意欲を見せている。

  久多良木氏はまず物流センターや工場で人間と協働するロボットの開発を進め、約1年で形にしたい考え。AIソフトを用いた技術の実用化に必要なメーカーとの関係構築も模索していく。アセントは既に川崎重工業と部品などを自動判別して仕分けするロボットアームを開発。日本の自動車メーカーとは自動運転ソフトの開発に取り組んでいる。

  久多良木氏は1994年に初代を発売したPS開発を指揮した。ソニー副社長やソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)会長を歴任し、2007年にソニーを退社。現在は楽天やニュースアプリのスマートニュースなどで社外取締役を務める。

PlayStation Inventor Ken Kutaragi Starts New Career Making Robots

アセントが開発を進めるロボットアーム

Photographer: Kentaro Takahashi/Bloomberg

  アセントは16年創立。久多良木氏は18年から社外取締役として関わり、現在はアセント株の約22%を保有する。SBIインベストメントなども出資している。約50人の技術者のほとんどが外国人という環境で、「マネジメントが大変だが、PSで全く同じことをやっていたからその辺は得意だ」と述べた。

  米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が同社に復帰した際に年収1ドルにしたことを「かっこいいな」と思い、無給で働いているという。

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