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ドラえもん新作で追い風続くか、GoTo対象で東宝にもお墨付き

更新日時
  • コロナ禍の影響欧米より小さく、邦画各社の株価はコロナ前に回復
  • 観客嗜好がハリウッド大作から邦画にシフトしたことも背景に

世界第3位の映画市場である日本の映画館は、コロナ禍の中でもほぼ通常の状態に戻りつつある。「STAND BY ME ドラえもん2」の11月20日公開を7日発表した東宝の株価は、3月の安値から大幅に回復し年初来高値に迫る勢いだ。

  今年、日本でのコロナウイルスの影響は欧米諸国に比べてかなり小さい。日本の新型コロナ感染者数は米国の1%強にとどまっており、感染の第2波は沈静化してきた。緊急事態宣言下では、映画館は政府の規制対象となり、数週間にわたり閉鎖されたが、客足は徐々に平時に近い状態に戻りつつある。当初は収容人数を50%以下に抑えてきたが、ポップコーンなどの飲食を提供しなければ全席販売が可能になった。

  日本の映画市場は、アメリカや中国に比べればかなり小さいが、観客の好みがハリウッド大作から良質な国内映画に移行するとともにコロナ以前から成長してきた。

  アシンメトリック・アドバイザーズのシニアストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏は「東宝株の長期的なチャートを見ると、危機があることが全く分からない」と指摘。「8月初旬からの上昇は驚くべきことだ」という。東宝だけでなく、映画大手3社の株価はそろって上昇している。松竹の株価もコロナ前水準に戻し、東映は年初来高値を更新した。

映画会社の株価推移

日本映画人気

  米国では、ヒット作がないために劇場の観客動員数は低く、制作会社は動員数が低いため公開を遅らせるという、負の循環に陥っているが、東宝にはその心配は無用だ。東宝はドラえもんを含め、独自のヒット作を作ることができる。2008年以降、日本映画は毎年、国内の興行収入の半分以上を占めており、国内の製作現場はすでに再開している。

  東宝の収益は映画館からだけでなく、不動産事業も安定した収益源となっている。新型コロナ流行に伴う興行収入の落ち込みが一部では心配されていたが、非常事態宣言解除後の観客動員数は毎月改善している。東宝の広報担当者によると9月のデータは近く発表される。

  岩井コスモ証券投資調査部の有沢正一部長は、「映画がGoToキャンペーンの対象(2割引)になったことは、東宝の株価にはプラス」と指摘。「密集・密閉・密接でだめだと思っていた映画館に、劇場が配慮すれば行っても良いというお墨付きを政府から得たことになる」と話した。さらに、ドラえもん映画は「集客につながる」という。

(第4段落に松竹、東映の株価を加えて更新します)
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