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中国の大型連休、4億人超が国内旅行に-ポストコロナ経済の試金石

  • 連休最初の4日間で4億2500万人が国内旅行-前年同期間の8割程度
  • 旅行客の財布のひもは固く-観光収入が3120億元と31%減少

10月1日の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休に突入した中国では、国内宿泊料金が跳ね上がり、配車アプリは機能停止に追い込まれ、万里の長城で入場券が完売した。新型コロナウイルス感染拡大が始まって自宅にこもることを余儀なくされてから9カ月が経ち、4億人余りが遠出した。

  中国ではコロナ感染がおおむね抑えられており、この大型連休は中国経済の回復ぶりと衛生対策への自信を示す場となっている。文化観光省によれば、1日に始まった連休最初の4日間の国内観光客は約4億2500万人に達した。前年の同じ期間の8割近い水準だ。

  中国以外の状況はこれとは全く対照的だ。世界の観光業は2020年に少なくとも1兆2000億ドル(約127兆円)を失う見通しで、中国経済持ち直しの力強さが浮き彫りとなっている。経済協力開発機構(OECD)は9月時点で今年の中国経済をプラス1.8%成長と予測しており、20カ国・地域(G20)の中で唯一拡大が見込まれている。

大型連休迎える中国、国内航空便の利用活発に-コロナ禍の国外尻目に

Shoppers in Beijing During Golden Week Holiday

北京市内の土産物店で買い物をする人々(10月4日)

  香港城市大学でヘルスセキュリティーを教えるニコラス・トーマス准教授は、「一般観光の再開を認めることには間違いなくリスクがある。ある意味では、世界規模で観光を来年再開する際、各国が経験しなければならないことを事前に中国で試しているとも言える」と話す。

  中国では8月15日以降、国外からの流入を除く感染症例は報告されていないが、先月下旬に2件の無症状感染が見つかった。政府はピーク時に導入した移動制限のほぼ全てを緩和しており、団体旅行の禁止は7月半ばに解除され、各都市のいずれの地区も「低リスク」と認定されている。省をまたぐ移動もコロナ検査の陰性証明はもはや求められていない。

Travelers Ahead of China's Golden Week Holidays

上海・虹橋駅の出発ホールに集まる荷物を抱えた乗客ら(9月30日)

  中国疾病予防コントロールセンターの疫学首席専門家、呉尊友氏は北京で先週開いた記者会見で、「6週間以上にわたり国内で1件も確認症例が報告されておらず、一般市民がアクセスできる環境にウイルスはいないということを意味する」と主張。「無症状感染者に偶然出くわす可能性も相当低く、ごくわずかだ」と語った。

  観光客も安心しているようだ。今年初めての旅行で子供2人と両親を連れて北京から空路で広西チワン族自治区に向かう35歳のツォラ・リさんは「コロナは心配していない」と話す。

Tourists at the Great Wall on National Day Holiday

万里の長城「八達嶺」を歩く観光客(10月1日)

  香港城市大のトーマス准教授は「大型連休後2-3週間にどの程度の新規感染者が出るかで、うまくいったかどうかがようやく分かる」と指摘。「感染の急増を避けることができれば、中国が本当にコロナ後の局面に移りつつあることを示す証拠になる」とコメントした。

  だが、コロナ感染の不安と脆弱(ぜいじゃく)な景気回復がなお打撃だ。旅行者も連休中に財布のひもを緩めているわけではない。文化観光省によると、連休開始後4日間の観光収入は3120億元(約4兆8600億円)と前年の同期間に比べて31%減った。

Travelers Ahead of China's Golden Week Holidays

北京首都国際空港の外で荷物を抱えるマスク姿の旅行者(9月30日)

原題:
Half a Billion Travelers Show China’s Economy Moving Past Covid(抜粋)

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