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ウォール街を代表するクオンツ戦略家、伝統的クオンツ投資に見切り

  • バーンスタインのフレーザージェンキンス氏がクオンツ業界を批判
  • もはや私はクオンツアナリストではない-フレーザージェンキンス氏

ウォール街で最も有名なクオンツアナリストの1人、サンフォード ・C・バーンスタインのイニゴ・フレーザージェンキンス氏は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がシステマティックな取引に打撃を与える中、クオンツ業界への辛辣(しんらつ)な批判を展開している。

  同氏は、ルールに基づく資産配分方法への批判を強めており、クオンツ投資がバックテストや多様化、平均回帰に過度に依存していると非難している。

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出典:バーンスタイン

  同氏は、理論上は良く見える戦略が現実の世界で失敗を繰り返していることについて、システマティックな手法が世界経済の大きな変化に対応できていないことが主な理由だと指摘。「クオンツ投資がこうしたバックテストと多様化の枠組みに依存しなければならないのであれば、もはや私はクオンツアナリストではない」と2日のリポートに記した。

Inigo Fraser Jenkins

サンフォード・C・バーンスタインのイニゴ・フレーザージェンキンス氏

出典:Sanford C Bernstein

  バーンスタインのストラテジスト、アラ・ハームズワース氏によると、今年はファンダメンタル投資がベンチマークを0.6%上回る運用成績であるの対し、同社がサンプルとする米国のクオンツ投資はベンチマークを3.3%下回っている。ヘッジファンド・リサーチ(HFR)の指数では、株式市場中立型のクオンツ投資は1年、5年、10年のいずれのスパンでもマイナスとなっている。

  割安株を買うというバリュー戦略は、その典型的アプローチが持つ潜在的な落とし穴を浮き彫りにしている。低金利と在宅勤務が割高なハイテク株の上昇を後押しする一方、クオンツ投資はバリュー株への投資を一段と強めてきた。バックテストでは割安銘柄がいずれアウトパフォームすると示されるためだ。これは今年の相場では代償の大きい投資と言える。

  クオンツ業界を悩ませる要因の1つには市場の構造の急速な変化がある。パンデミックをきっかけに各国・地域政府が経済運営により積極的に関与するようになる中、平均回帰にはこれまで以上の時間がかかる可能性がある。

  フレーザージェンキンス氏は「私は現在の雇用主に『クオンツ戦略』という言葉を含む役職で雇われたが、そのタイトルの本当の意味が分からないという結論に至った」とし、「投資家にとってのルールは過去何十年も見なかったほど変わりつつある」と述べた。

参考記事
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原題:Bernstein’s Top Quant Rebukes Industry: ‘I’m No Longer a Quant’(抜粋)

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