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トランプ大統領、自身と夫人がコロナ陽性-リスクオフで市場混乱

更新日時
  • 陽性判明したヒックス氏とトランプ氏は大統領専用機に同乗
  • ペンス、ポンペオ、ムニューシン、イバンカ、クシュナー氏ら陰性

トランプ米大統領は2日未明、自分とメラニア夫人が新型コロナウイルス検査で陽性だったことが分かったとツイートした。大統領の最側近の1人であるホープ・ヒックス氏の陽性が判明したすぐ後だった。

  大統領はツイッター投稿で「ファーストレディー(大統領夫人)と私は検査で新型コロナウイルス感染症(COVID19)陽性が判明した。隔離と回復のプロセスを直ちに開始する。一緒にこれを克服する!」とコメントした。

  メドウズ大統領首席補佐官は記者団に対して2日、トランプ氏の症状は軽く、ホワイトハウスの居住スペースで職務を遂行していると説明。トランプ氏は「大統領職にとどまる」と述べた。

  ペンス副大統領とカレン夫人は毎日行っている検査で陰性と判定されたと、オマリー報道官が2日朝にツイッターで明らかにした。ペンス氏の検査はトランプ氏の陽性判明後に行われたという。ポンペオ国務長官も同日、クロアチア到着前に夫人とともに検査を受け、陰性と判定されたと同行記者団に発表。ムニューシン財務長官も検査で陰性だったと、側近が語った。

  トランプ氏の長女で大統領補佐官のイバンカ氏と、娘婿のクシュナー大統領上級顧問、メドウズ氏も2日の検査で陰性だった。一方、共和党全国委員会(RNC)のマクダニエル委員長は9月30日の検査で陽性だった。

  トランプ氏のツイートを受けた2日午後の日本の株式市場では、日経平均株価が下落に転じた。政治リスクを懸念した売り圧力が強まった。債券は先物相場が上昇(金利は低下)、為替相場では円高が進んでいる。米株価指数先物も急落した。

日本株下落、トランプ大統領陽性でリスクオフ-債券上昇、為替は円高

  トランプ氏の新型コロナ陽性判明は大統領選まであと1カ月ほどのタイミングでの衝撃的な発表となった。民主党の大統領候補、バイデン前副大統領は政権のコロナ対応がスピード感を欠いて的外れであり、効果的でないと批判してきた。

  ホワイトハウスは既に、2日のフロリダ州での集会を含め、大統領が公的イベントを全てキャンセルしたことを発表済み。感染に伴う通常の手続きでは、トランプ氏は少なくとも10日間は選挙遊説を行えない可能性がある。全米世論調査でバイデン氏に7ポイント前後のリードを許しているトランプ氏が巻き返しを図るには、これからの時期が極めて重要だった。

  このほか、死去したルース・ベイダー・ギンズバーグ連邦最高裁判事の後任として、大統領が指名したエイミー・コニー・バレット氏の承認を巡る上院審議日程にも影響が及ぶ可能性がある。さらに、下院民主党とホワイトハウスの立場が隔たったままの経済対策案の交渉にどのような影響があるかも不透明だ。

  大統領の主治医、ショーン・コンリー氏は2日未明公表のメモで、大統領とファーストレディーは「回復期」の間、ホワイトハウスにとどまる計画であり、医療チームが「絶えず監視を続ける」と説明。「大統領が回復の間、混乱なく職務を遂行し続けると私は予想しており、安心してほしい。今後の展開について最新情報を提供し続ける」としている。

  ホワイトハウスのディア報道官はトランプ夫妻の接触者の調査が行われており、「適切な通知と勧告が行われるだろう」と述べた。ヒックス氏の同調査は完了したと説明した。

  メラニア夫人は自身と大統領が「快調」だとした上で、今後の自分の公務予定を全て延期したことを明らかにした。

  11月の大統領選での再選を目指す上で、74歳のトランプ氏の陽性判明は、既に先鋭化しているパンデミック(世界的大流行)対応の問題を巡り、一般の関心をさらに高めることになりそうだ。

  大統領はコロナ禍から有権者の関心をそらし、甚大なダメージをもたらすような社会主義的政策課題を民主党が推進しようとしているといった非難を繰り広げるなど、自身に有利な形で選挙運動を進めようとしてきた。しかし、今回の事態を受けてそうした手法を続けるのは一層難しくなりそうだ。

  トランプ氏の感染経路は分かっていない。トランプ氏の側近は、大統領選の選挙運動が終盤に入り同氏が睡眠不足になっていることで、特に感染しやすくなっているのではないかと懸念していた。

President Trump Departs White House For Ohio

トランプ大統領とメラニア夫人(9月29日)

  トランプ大統領は、ヒックス氏の陽性判明をブルームバーグ・ニュースが報じた後、FOXニュースとのインタビューで、ヒックス氏について「彼女の検査結果は陽性だったと聞いた」と発言。「私は検査に行き、結果は後で分かるという。私と妻はホープ氏らと会う機会が多かったため、妻も検査を受けた。結果は近く分かるだろう」と説明していた。

トランプ氏最側近のヒックス氏、コロナ陽性-専用機に同乗と関係者

  トランプ大統領はその後、メラニア夫人とともに結果を待っているとし、「それまでの間、われわれは隔離プロセスを開始する!」とツイートした。

  ヒックス氏は9月29日にテレビ討論会のためオハイオ州クリーブランドとの間を往復した際と30日のミネソタ州の集会への往路でトランプ氏と大統領専用機「エアフォース・ワン」に同乗していた。事情に詳しい複数の関係者によれば、ヒックス氏はミネソタ州で体調が悪化し、帰りの大統領専用機内では隔離されたという。

  トランプ大統領は同インタビューで、「私の検査結果は今晩か明日の午前中に分かるだろう」と述べた。また、ヒックス氏はしばしばマスクを着けていたので、陽性になって「驚いた」とし、「彼女は非常に温かい人だ」と語った。

  ヒックス氏の感染については、ごく少数にしか知らされず、上級スタッフは情報を非公開にとどめておきたいと考えていたと、関係者の2人は述べた。トランプ氏最側近の一部は、9月30日に同氏の気分が優れないことに気づいたが、選挙戦の過密スケジュールによる疲労が原因だろうと見なしていたことを明らかにした。

  大統領の側近では、このほかにもオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)を含む数人が新型コロナ陽性となっている。オブライエン氏らはその後、回復して職務に復帰した。

  トランプ氏は当初、マスク着用の重要性に否定的だった。その後、マスク着用を推奨するようになっても、公衆の面前で自身が着用することはほとんどなく、他者との間に約6フィート(約182センチメートル)の間隔を保つべきだとする勧告にも従っていなかった。

US-POLITICS-TRUMP

ホープ・ヒックス氏

(更新前の記事で主治医の氏名を訂正済みです)

原題:Trump’s Covid Diagnosis Jolts White House and His Campaign、Pompeo Says He and His Wife Tested Negative for Covid-19 Today、Trump Tests Positive for Covid-19 After Close Aide Becomes IllTrump Says He Will Quarantine After Aide Falls Ill With VirusTrump Awaits Coronavirus Test Results After Aide Falls Ill(抜粋)

(第3段落にメドウズ補佐官の説明、第5段落にイバンカ氏らの検査結果を追加して更新します)
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