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最悪シナリオはテールリスクか、11月ヘッジコスト上昇理由-QuickTake

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  • FOMCが1984年以降初めて大統領選と同じ週の4、5日に開かれる
  • 6日は米雇用統計の発表日、英EUの協議がヤマ場を迎える可能性も

米大統領選挙に向かう今は、通常ならトレーダーが勝者を予測し、それに基づき自分の投資をヘッジしようとするはずだ。だが米国市場は今回、むしろ選挙直後の混乱の大きさを測ろうとますます身構えている。

  新型コロナウイルスの感染者数がじわり増加し、追加経済対策を巡り議会民主党との協議も難航している。トランプ米大統領は、敗れても開票結果に異議を唱えると公約したも同然であり、シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)の「バタフライトレード」が反映する11月3日の大統領選のヘッジコストは、史上最も高くなった。

Election Jitters

December contracts in demand amid delayed result worries

Cboe Futures Exchange, Bloomberg

選挙を巡る不安

  新型コロナ感染拡大で広範なロックダウン(都市封鎖)を強いられた今春以降、選挙管理当局者は郵便投票の急増を予想。懸念される集計の遅れは、大統領選の勝者の判定を難しくする。平和的な政権移行の約束を繰り返し拒否するトランプ大統領は、連邦最高裁の判断が結果確定で必要になる可能性に言及し、亡くなったルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の後任を早急に指名する必要性を正当化した。

  ゴールドマン・サックス・グループは、選挙の結果判定の遅れは最も可能性の高いシナリオでなく、「テールリスク(影響は甚大だが確率の低いリスク)」にすぎないと戒めている。

  しかし、選挙直後に市場が心配すべきイベントはほかにもある。米金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)は11月4、5日に開催され、1984年以降で初めて大統領選の週に重なる。週末6日は米雇用統計の発表日であり、大西洋の向こう側では、英国と欧州連合(EU)との英離脱後の新たな関係を決める協議がヤマ場を迎える可能性がある。

選挙の混乱の市場への影響

  フロリダ州のわずかな票差が勝敗を決するところまでいった2000年の大統領選の混乱では、S&P500種株価指数が4%余り下げる一方、米国の10年国債利回りは52ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、安全資産の金の価格も急騰した。ウェルズ・ファーゴ のアナリストは、選挙結果の確定に今回「著しい遅れ」が生じれば、10年債利回りが過去最低水準に低下し、ドル相場が押し上げられることもあり得ると警告する。

Currency volatility grinds higher with election in view

投資家のヘッジ手段

  • 11月18日までの株価ボラティリティーの期待を反映するVIX先物11月限は10月限より高いが、選挙結果の確定が遅れる見通しが高まる中で、12月限の価格もじりじり上昇
  • 為替トレーダーは6月以降、来年1月の次期米大統領就任までの為替変動から身を守る手段に円を用いてきた。グローバル通貨20種余りに連動するJPモルガン・チェースの為替変動指標は、3月の市場メルトダウン後で最も高い水準まで戻した
  • 米国債市場では、株式市場から逃げる投資家から資金が殺到するリスクをヘッジするため、オプションを購入するトレーダーも

原題:Why Election Jitters Have Traders Chasing Butterflies: QuickTake(抜粋)

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