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下期初日に水差された日本株、短期筋は機会失う-中期評価は変わらず

  • 月末値を基に月初執行のファンドには影響の可能性-三菱U国際
  • 30日午後の短期トレードによる反動は2日の取引に一部持ち越しも

過去最悪のシステム障害で下期相場の初日に水を差された格好となった日本株。投機筋の一部が短期トレードの機会を失った可能性はあるものの、中長期的に日本株の評価が変わるとの見方は限定的だ。

  1日の東京株市場は取引開始からの現物株の全銘柄売買停止と、1995年に立ち会い取引からシステム取引に移って以降で初めてとなる最悪のシステム障害が発生した。05年に全面柄が売買停止となった際は4時間半で普及した。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは「月末の指標を見て計画を立てて、月初に執行というファンドには影響が出ている可能性がある。短期的には良い影響はない」と言う。

Tokyo Stock Exchange Halts Trading for Entire Day Due To Outage

東証内に集まったメディア(1日)

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

  また、アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者は「海外からの設定や解約にも影響が出る。運用者にとってもきょうトレードする機会が失われたことで、正常な場合とのリターンが違ってくることもあり得る」と語る。

  短期筋にとってもトレードが空振りとなった可能性がある。9月30日の日本株は大統領選の候補者討論会の終了後、アジア時間の米株先物安を受けて政治混迷の警戒から売りが殺到。日経平均株価の午前終値は30円安だったが、取引終了は353円安と大きく崩れた。その一方、30日の米国株は上昇で終了した。

30日は午後に下げが拡大

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは30日の米国株が景気期待から上昇したことを挙げ、「アジア時間は米政治情勢に対する悲観のし過ぎだった」と振り返る。さらにきのうは「半期末や四半期末、月末が重なったポジション調整も一因だった可能性がある」とし、1日はその反動が出やすい日だと想定していた。

  明日に売買が再開されれば、先物が現物に与える影響が大きくなりそうだと予想するのは、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト。きのうは短期売買の手口が出やすい欧州系証券などの売り手口が目立ったとし、「本来ならきょうの日本株は先物の買い戻しが入るはずだった。先物は売買されているものの、現物取引が行われていないことで積極的に動けない面がある」と言う。今晩の米国株市場が大きく動かなければ、あすの日本株は先物主導で全般的に買い戻しが入りそうだと予想した。

  ただ、明日に売買が再開できないとなると話は深刻になるかもしれない。シンガポールを拠点とするCIOオフィスの最高経営責任者(CEO)ゲーリー・ドュガン氏は、取引再開できないと週末までポジションが凍結され問題は重大になるかもしれないという。「米国株が大きな動きになれば、補償問題にもなりかねない」と話す。

  一方、中期的には今回のシステム障害が日本株全体に影響するとみる向きは少ない。「日本株は米国と政治情勢が真逆で、大規模な追加補正への期待もある。ファンダメンタルズは変わらず、1週間ならともかく、1日の売買停止だけで海外勢の日本株に対する評価が根本的に変わるとは考えにくい」と、三菱モルガンの藤戸氏は話していた。

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