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東証:現物売買を終日停止、過去最悪の障害-2日から取引再開へ

更新日時
  • 株価や気配値などが確認できず、名証など地方取引所も停止
  • 全銘柄売買停止は05年11月以来、あすは立会内取引とToSTNeT再開へ

東京証券取引所は1日、相場情報の配信に障害が発生しているとして株式全銘柄の売買を終日停止した。同日夜には、2日の立会内取引および立会時間外のToSTNeT取引は通常通り行う予定と発表。市場再開に向けて問題なく対応を進めていると説明した。

  これ以前に全銘柄の売買が停止されたのは2005年11月で、4時間半取引が止まった。終日取引停止は今回が初で、現物取引で過去最悪のシステムトラブルとなる。東京証券取引所の宮原幸一郎社長は、過去最悪のシステム障害で売買が終日停止したことについての記者会見で「深くおわび」するとした上で原因の徹底究明と再発防止策をとり、責任についてはその上で検討する方針だと述べた。富士通のシステムを使う名古屋証券取引所、札幌証券取引所なども、きょうは売買停止になった。

Tokyo Stock Exchange Halts Trading for Entire Day Due To Outage

取引停止で株価が表示されないディスプレーを眺める歩行者(1日)

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

  中国や香港といった主要市場が休場で堅調な米国株式市場を受けた東証の売買停止は、投資家のセンチメントを冷やす。日本の市場システムへの信頼感にも影響を与える可能性がある。

  東京証券取引所の売買停止問題で、加藤勝信官房長官は1日、取引所は経済活動にとって重要なインフラの一つであるとして、「取引の機会が制限されることであって、大変遺憾だ」と話した。その上で1分、1時間でも早く復旧を求め、2度とこういう事態ないようにしないといけないと呼びかけた。

  今回の障害では株価の値段や気配値といった相場情報に障害が発生した。売買システムは動いていたが情報配信に関して障害が起きたもよう。大阪取引所は別のシステムで運用されており、長期国債先物と株式先物は通常通り取引が行われている。

  東証の売買システムであるアローヘッドのシステムを担当した富士通の広報担当、田中健雄氏は「東証と一緒に状況を調査している。対応の内容や状況は当社からの公表は控える」としている。金融庁は証券会社に対し、顧客への影響などについてヒアリングした。

対応

  証券各社も対応に追われた。SMBC日興証券広報担当の沢田北斗氏によると、障害発覚後、同証は140の国内支店で対面での日本株売買受注を一時停止した。インターネット取引では、約定ができない旨の注意喚起を掲示しつつ注文だけは受け付けたという。

Final Trading Day Of The Year At The Tokyo Stock Exchange

東証ビル

  いちよし証券投資情報部の高橋幸洋課長は「きょうは今年度下半期相場の初日であり、日銀短観が発表された日でもある。重要な出だしの1日に問題が起きてしまった」と指摘。かつては東証に障害が起きても、大阪で売買する機会があったとし、「取引所の売買が集中した現在は東証に問題が起きると全てが止まってしまう。日本株市場における一極集中による弱さが表れた」とみていた。

  「終日取引停止というのはサプライズ」と話すのは、アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最高投資責任者。地震など自然災害があったわけでもなく、短時間で復旧できないというのは疑問だという。海外からの設定や解約にも影響が出る。きょうトレードする機会が失われたことで、「正常な場合とのリターンが違ってくることもありえる」と話している。

異変

  証券会社の日本株トレーダーによると、市場関係者が最初に異変を感じたのは1日午前7時過ぎから7時30分ごろ。銘柄によって株価情報が表示できるものとできないものがあり、どうもシステムの様子がおかしいなどとトレーダー同士のやりとりが出始めたという。

    状況が一変するのは、株価の気配値が表示される時間である午前8時ごろから。「気配値が表示されないので、何らかの障害が起きたのではないかと感じた」と、丸三証券エクイティ部株式営業課・秋場正也氏は言う。このころには何らかの障害が起きたとベンダーから第一報を受ける会社もあり、時価情報配信において障害が発生したことが広く認識される。

  ただ、当初は何らかの障害に気づきながらも、原因が自社か情報ベンダー、東証のいずれかが不透明な面もあったという。松井証券の窪田朋一郎マーケットアナリストは「8時20分ごろからコールセンターに顧客から気配がおかしいと問い合わせのメールが届き始めた。自社か東証かどこに問題があるか分からず調査を始め、8時30分過ぎには東証の発表で確定した」と言う。

  東証によると、東証現物取引で大規模なシステム障害が発生したのは一部取引参加者にトラブルが起きた2018年10月以来で、全銘柄の売買が停止されたのは05年11月以来となる。

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