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トランプ大統領、納税問題巡り退任後に法的リスクにさらされる恐れ

  • 理髪代やコンサルティング料などの税控除巡る問題をNYTが報道
  • 節税目的のコンサルティング料支払いは税法違反も-マッケンジー氏

トランプ米大統領は理髪代やコンサルティング料の税控除、ビジネス資産として扱われる一族の不動産、積極的な税還付請求を巡り、退任後に法的リスクにさらされる可能性がある。

  米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は入手した過去20年分以上の納税申告書に基づいた分析から、トランプ米大統領が積極的な税金対策を行っていたと指摘。10年前の7290万ドル(約77億円)の税還付請求について内国歳入庁(IRS)は疑義を呈し今も監査が続いていると報じた。

  最終的にIRSの見解が正しいとされた場合、トランプ氏は数百万ドルの制裁金を科せられる恐れがある。税務専門家によると、IRSが故意の法律違反と判断して主張すれば、トランプ氏は刑事訴追の対象となり得る。ただ、実際に行うのは極めて難しいという。

  トランプ氏はNYTの報道について「偽ニュース」だと述べたが、報道内容への反証は提示していない。28日のツイートでは、「他の人と同様に私にも減価償却や税控除を受ける資格はある」と述べた。

  法律事務所ソール・ユーイング・アーンスタイン&リアのパートナー、ロバート・マッケンジー氏は、NYTが報じた複数の疑惑についてIRSによる「検証の機が熟している」と話す。

  マッケンジー氏によると、トランプ氏が長女のイバンカ・トランプ氏に行ったとされる節税目的のコンサルティング料支払いも税法に違反する可能性が高い。

  また、IRSはトランプ氏がニューヨーク州ウェストチェスター郡にあるセブン・スプリングスの不動産で行ったような保全地役権取引にも注目している。この不動産はトランプ氏に2110万ドルの慈善寄付控除をもたらしたが、税金対策で投資用不動産として扱うことでさらなる節税につながっている。ただ、トランプ・オーガニゼーションのウェブサイトにある公式説明ではこの不動産は一族の別荘とされている。

  一方で、トランプ氏の特徴的なヘアスタイルを保つための費用7万ドルについては、判例法を頼りに弁護できる可能性があるとマッケンジー氏は話す。ストリップダンサーの豊胸手術費用を巡る1994年の判例で償却が認められていることから、マッケンジー氏は「トランプ氏がエンターテイナーであるため、その問題については乗り切れるかもしれない」と話した。

  民事制裁金は通常、過失では約20%からだが、民事詐欺が関わる場合は過少申告額の75%と金利分の支払いが科せられる可能性がある。刑事罰では最高10万ドルの罰金と最長5年の禁錮刑もあり得るが、政府が刑事事件として税法違反で訴追するのは、故意であることが要件になるため、難しいという。

  米国の憲法には、現職大統領が刑事責任を問われる可能性があるかどうかについての規定はないが、司法省は公務遂行ができなくなるという理由で現職大統領を訴追しないという長年の方針を維持している。

原題:
Trump Tax Moves Stir Questions About Potential Legal Exposure(抜粋)

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