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老舗ファンドの根津:日本株運用の肝は資本効率-復帰後収益率17%

  • 震災で日本の価値観に変化、資本効率重視で運用再開-スノッディ氏
  • いったんはファンドを閉鎖、新たなL/S戦略が奏功

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老舗ヘッジファンドの根津アジアキャピタルマネジメントの創業者デービッド・スノッディ氏(52)は、2019年6月に日本株運用に復帰してから8月までに収益率17%の実績を上げた。資本効率を軸とした新戦略が奏功している。

  スノッディ氏が運用を開始した「根津スピードウェルファンド」は、日本企業の成長と資本効率に焦点を当て、9月1日時点で3100万ドル(約32億7000万円)を運用している。中期投資で、成長性と資本効率の高い企業を買い持ち(ロング)する一方、パフォーマンスが低く収益構造にリスクがある企業を売り持ち(ショート)する。

  17年初めに、組織の再構築と軌道修正に集中するために2000年から運用していた「根津アジアファンド」を閉じた。規制や法律上の問題はなかったが、新しい戦略とあるべき成長の姿を見直す必要があったという。18年から19年には、別の運用者が担当する日本株マーケットニュートラル戦略だけを残し「根津ジャパンファンド」を含め他のファンドも閉じた。

  スノッディ氏はインタビューで、2年半ほど運用から遠のいていた間、「運用が懐かしくまたやりたいと思っていた」と話し、19年夏にこれまでとは違うやり方で再開した。11年の東日本大震災で経済的にも文化的にも落ち込んでいた日本は、復興のためには何かを変えないといけないと気付き、資本効率を高める道を進み始めた。自身の投資戦略もそこに焦点を当てた。

アクティビストとは違う

  第2次安倍晋三内閣では、日本企業の稼ぐ力を強化するため、企業統治改革を進めた。高齢化が進む日本社会を支えていくには企業活動も効率化する必要がある。スノッディ氏は、資本主義的に効率を一層重んじることに「震災までは政治的な反対も強かったが、現在はあまり異論はない」と指摘。安倍政権で官房長官を務めた菅義偉氏が首相に選ばれたことで、その環境は続くとみている。

  アクティビストのように、資本効率の悪い会社を良い会社に変えるよりも「一番簡単なのは、資本効率の良い企業と成長できる企業に投資先を絞ること」と同氏。このやり方は検証が可能で、これまでのところ機能しているという。ロング銘柄には、個人や小規模業者向け電子取引商プラットフォームのBASEや、株主調査などを手掛けるアイ・アール・ジャパン・ホールディングスなどがある。BASEの株価は今年6倍以上、IRJHDは2.7倍に上昇している。

  スノッディ氏は、根津創設前にはソロス・ファンド・マネジメントの日本代表やタイガー・マネジメント東京オフィスのマネージング・ディレクターを務めた経歴がある。

BASEとIRJHDの株価推移
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