コンテンツにスキップする

若い兄弟2組がコロナ重症化、遺伝学者の発見が新治療法に道開く

更新日時
  • 兄弟の共通の特徴がインターフェロンの欠如だった
  • インターフェロンをベースにした新たなコロナ治療法の可能性高まる
A health care worker use a nasal swab to test for Covid-19 in Florida, July 2020.
A health care worker use a nasal swab to test for Covid-19 in Florida, July 2020. Photographer: Joe Raedle/Getty Images North America
A health care worker use a nasal swab to test for Covid-19 in Florida, July 2020.
Photographer: Joe Raedle/Getty Images North America

今年3月、オランダで兄弟2人がほぼ同じ時期に新型コロナウイルス感染症(COVID19)で重症となった時、担当医は困惑した。兄弟は29歳、31歳と若く、健康だった。しかし数日後、2人は自力呼吸が困難になり、残念ながら1人は亡くなった。

  その2週間後、同国で別の20代の兄弟がCOVID19で重症となり、調査のために遺伝学者が呼ばれた。調査の結果、遺伝学者は兄弟の重症化と遺伝的変異、性差が一部の免疫機能喪失と関連していることを突き止めた。そしてこの発見が今後、新型コロナの新たな治療法につながる可能性がある。

  調査で判明した共通の特徴は、ウイルス感染への免疫応答の中枢を担うインターフェロン産生の欠如だった。そして現在、一部の新型コロナ患者が重症化する要因がインターフェロン応答の抑制であることを示す証拠が増えつつある。

  米ラホヤ免疫研究所の感染症・ワクチン研究センターのシェーン・クロッティ教授は、「このウイルスには大きなトリックがあるようだ」とし、「そのトリックとは、人体が本来持つ当初の免疫応答、特に感染初期の1型インターフェロン応答をかなりの期間回避するというものだ」と説明した。

  学術誌「サイエンス」に24日発表された論文は、新型コロナ感染の重症化にインターフェロン応答の不足が関係している可能性があると分析している。これは、インターフェロンをベースにした新たなコロナ治療法の可能性を示すものだ。

  現在の治療法はギリアド・サイエンシズの「ベクルリー」(一般名レムデシビル)や回復期血漿療法だが効果は限定的であり、通常は重症入院患者が対象となる。一方、インターフェロンは感染初期に最も治療効果が高いとみられることから、生死に関わる呼吸器疾患に至らないようにするという意味で期待が大きい。現在、数十のインターフェロン治療の研究が新型コロナ患者の参加を募っている。

Houston Hospital Struggles With Coronavirus Surge In Texas

ヘルメット型の人工呼吸器を装着した患者を治療する医療スタッフ(ヒューストン、2020年7月)

原題:This Is Why Covid-19 Could Be Life-Threatening for Some Patients(抜粋)

(専門家のコメントなどを追加して更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE