コンテンツにスキップする

黒田日銀総裁、現在の金融政策で経済支える-菅政権と連携

更新日時
  • 2%の物価目標は変更しない、総裁任期「全うするつもりだ」
  • コロナの影響が現在も最大のリスク、異常な株高にはなってない

日本銀行の黒田東彦総裁は17日、金融政策決定会合後に記者会見し、菅義偉政権と連携し、現在の金融政策で経済を支えていくと述べた。新型コロナウイルス感染症の影響を最大のリスクと位置付け、必要となれば追加緩和を辞さない姿勢を示した。

  黒田総裁は、安倍晋三前政権との間で結んだ政府との共同声明を「引き続き踏まえていきたい」と表明。声明に明記された2%の物価目標も「変更の必要はない」と明言した。

  政府・日銀のトップ会談を継続していく意向も示した。安倍前首相とは年2回程度、定期的に会談しており、菅首相とも継続したい考えだ。

黒田東彦日銀総裁

黒田東彦総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  また任命者の安倍前首相が辞任した後も「辞めるつもりはない。任期を全うするつもりだ」と断言した。任期は2023年4月まで。

  アベノミクスについては、金融緩和、財政政策、成長戦略の3本の矢で大幅に雇用を改善させ、デフレではない状況をつくり出したとし、「大きな成果をあげた」と評価した。菅首相は新政権の経済政策についてアベノミクスの継承を表明している。

  「現時点で最も重大なリスク要因」として新型コロナの状況や内外経済に与える影響を挙げた。必要があれば「追加緩和は十分に検討しうる」とし、現在の政策金利のフォワードガイダンス(指針)は「緩和方向を意識した政策スタンスを明確にしている」と指摘した。

ブルームバーグ・エコノミクスの増島雄樹シニアエコノミスト
「経済は正しい方向へ進んでおり、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)以後で初となる景気判断の上方修正を日銀に促した。景気は最悪期を脱して回復局面にある。もっとも、日銀は大規模緩和の枠組みを予想通り維持し、なかなか警戒は緩められない」原文をご覧なるにはこちらをクリック

  中央銀行として異例の上場投資信託(ETF)の大規模な買い入れに関しては、持続的な経済成長と物価安定目標の実現のために行っており、「特定の株価を念頭に置いているものではない」と説明。株式市場の堅調な動きは、株価収益率などを踏まえても「特に異常な株高にはなっていない」との認識を示した。買い入れについては、市場の状況をみながら「弾力的に行う」と語った。

  米連邦準備理事会(FRB)は、雇用最大化と物価の安定に向けて、長期的に平均2%のインフレ率を目指すとした新たな指針を打ち出した。黒田総裁は「日銀は従来からインフレ率や景気の変動をならしてみて平均的に2%になることを目指している」と説明し、「FRBの考え方は、日銀のこれまでの政策運営の考え方と軌を一にしたものだ」との見解を示した。

関連記事
(黒田総裁の発言の詳細を追加しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE