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8月全国コアCPI0.4%低下、GoTo受け約4年ぶり大幅下落

更新日時
  • 宿泊料は前年比32%下落、7月下旬開始の「GoTo」事業が影響
  • コアの低下のほとんどが宿泊料の下落で説明できる-総務省

総務省が18日発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.4%低下と、3カ月ぶりのマイナスとなった。低下幅は2016年11月(0.4%低下)以来の大きさ。7月下旬から始まった「GoToトラベル」事業の影響で大きく下落した宿泊料が全体を押し下げた。

  総務省によると、今回のコア、コアコアの低下はほとんどが「GoTo」事業による宿泊料の下落で説明が可能。同事業は同指数を0.4ポイント押し下げるインパクトになったという。

キーポイント

  • 全国コアCPIは前年比0.4%低下(ブルームバーグ調査の予想中央値は0.4%低下)ー前月は横ばい
  • 生鮮食品とエネルギーを除く全国コアコアCPIは0.1%低下(予想は0.1%低下)ー前月は0.4%上昇
  • 総合CPIは0.2%上昇(予想は0.2%上昇)-前月は0.3%上昇
宿泊料が大幅下落

エコノミストの見方

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:

  • コアは「GoTo」事業を反映。政策効果なので一時的だが、1月まで0.4ポイント程度の物価押し下げ効果は続く
  • 物価の基調は弱い。消費増税と幼児教育無償化の影響を除くコアはマイナス0.8%。10-11月に増税効果がなくなり、秋口には電力やガスの価格下落が影響し、「GoTo」の押し下げ効果が続くと、年末年始にマイナス1%程度に落ち込み、そこが底になるだろう
  • 日本銀行は、政策効果によって消費が促されるので基調は物価を上げる方向だという考え方。これによって政策が変わるという話にはならない

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • 基本的に宿泊料の部分がマイナス方向に働き、基調としてはほぼゼロではあると思う。教育無償化や消費税率引き上げを総合的に考えると小幅マイナスという状況がずっと続いている
  • 10-12月期は消費税だけで約0.7ポイント、教育無償化で約0.5ポイント、トータルで0.2ポイント程度実勢から下がるのではないか
  • ワクチンができたとしても今度は価格競争が強まる可能性がある。景気が持ち直し傾向を続けても物価は下がるということは十分あり得る

詳細(総務省の説明)

  • 宿泊料は「GoTo」事業の影響除いても同7.1%下落。新型コロナウイルスの影響によるインバウンドや国内旅行の減少で昨年より安い状況
  • 足元で原油価格の持ち直しに伴いガソリンがマイナス幅を縮小する一方、電気代は年明けから春先の原油価格の下落が半年程度遅れて反映されるためマイナス幅が拡大。エネルギー全体では物価の押し上げに寄与
  • 今後は消費税率引き上げの影響が一巡するとともに、電気代の下落などエネルギー価格の大きな上昇も考えにくい。「GoTo」事業の影響もしばらく続くため、今後数カ月は物価上昇に寄与する要因が見当たらない
  • コアコアの低下は17年3月(前年比0.1%低下)以来、3年5カ月ぶり

背景

  • 全国の先行指標となる8月の東京都区部CPI(生鮮食品除くコアCPI)は前年比0.3%低下と4カ月ぶりマイナス。「GoTo」事業の影響で宿泊料が大きく落ち込んだことが響く
  • これまでのエネルギー価格の下落と新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減退でコアCPIは伸び悩み。当面は「GoTo」事業や消費税率引き上げの影響の一巡もあり、下押し圧力が強い状況が続く
  • 日銀の黒田東彦総裁は17日の会見で、「携帯料金引き下げやGoToトラベルの影響は、それぞれ政策をとった場合に一時的に物価が下がる、価格が下がることはあり得るが、すう勢的な物価に対する影響とは違う」と語った

(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました)
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