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英アーム、業界で「中立国」の立場揺らぐ恐れ-エヌビディアの買収で

  • 通商摩擦の当事国や競争阻害を懸念する顧客からのハードルに直面
  • アームの成功導いたのは中立性、技術を数百の企業にライセンス供与

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コンピューター・グラフィックス(CG)用半導体製造で最大手の米エヌビディアによる英半導体設計会社アーム買収合意は今後、通商摩擦の当事国の当局に加え、競争が阻害されエヌビディアが不公正に有利になることを懸念する顧客から突き付けられる大きなハードルに直面する。

  400億ドル(約4兆2200億円)規模の合意発表に続き、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)とアームのサイモン・シガースCEOは記者会見で両社の統合を擁護したが、取り組みが始まったばかりであることも認めた。

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  サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、ステーシー・ラスゴン氏はフアンCEOについて、「ここ一番の大勝負に臨もうとしている。アームの普遍性を踏まえると、事実上、あらゆるところから承認が必要になる」と述べた。

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エヌビディアのジェンスン・フアンCEO

出典: エヌビディア Corp.

  アームの半導体設計と命令セットはスマートフォンや自動運転車、何十億ものセンサーの基幹部分を占める。また、データセンター用サーバーやノート型パソコンでも重要性が増しつつある。

  アームの成功を導いてきたのはその中立性だ。半導体業界のスイス的存在として、アームは自社技術を数百の企業にライセンス供与し、そのいずれとも競合していない。ただそうした状況は、エヌビディアの買収で脅かされる。

  大手半導体メーカーはいずれもアームの顧客に名を連ね、クアルコムインテルアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)など、その多くがエヌビディアと直接競合する半導体を販売する。今回の買収合意でアームが自社設計への早期アクセスをエヌビディアに提供したり、エヌビディアの製品とよりうまく機能させたりするのではないかとの懸念が浮上している。

  これに対し、フアンCEOは良識に従って自身はアーム技術の良い世話役になると述べた。アームの業績は半導体の根本的な部分を誰にでもライセンス供与し設計を販売する能力次第であるため、顧客を不利にして遠ざけるリスクを冒すインセンティブはない。フアン氏はインタビューで「より多くの顧客を持つほど喜ばしいことはないだろう。この仕組みを拡充したい」と語った。

  一方、買収合意は中国や英国、欧州連合(EU)、米国の承認が必要になる。 承認手続きでは政府機関が顧客や競合会社から意見を募ったり、オープンな姿勢で指摘を受け入れたりするよう求められることが多い。両社はこの過程を乗り切ると自信を持っているが、最長1年半かかる可能性があると説明した。

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Source: Company

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原題:
Nvidia Deal Threatens Arm’s Role as the Switzerland of Chips (1)(抜粋)

— With assistance by Timothy Ross

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