コンテンツにスキップする

長期政権からバトン受けた次も「負けない」理由-日本株のアノマリー

  • 長期政権直後は過去4回の株価が最高30%、最低3.1%と全て上昇
  • 停滞感の要因を次期政権が解消すると市場は評価-第一生命・嶌峰氏

安倍政権を引き継いで、きょう菅新政権が誕生する。歴代首相に株価を当てはめると、長期政権時だけでなくその直後もパフォーマンスは悪くない。長期政権の制約とバトンを引き継ぐがゆえの課題が、アノマリー(経験則)の一因かもしれない。

  歴代の首相を振り返ると、約5年以上続いた長期政権は戦後の東京証券取引所の再開以降4回。それらを引き継いだのは年代順に鳩山一郎氏、田中角栄氏、竹下登氏、安倍晋三氏(第1次)。これら政権の日経平均株価パフォーマンス(みずほ証券試算)を年換算すると、鳩山氏が+30%、田中氏+3.1%、竹下氏+30%、安倍氏+5.6%。

Suga Formalizes Bid for Japan Prime Minister’s Job

長期政権直後の株価負けなし、菅氏のもとでも繰り返すか.

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  みずほ証の中村克彦マーケットストラテジストは、政権と株価の関係には2つの傾向があるという。「一つは長期政権=株高の傾向。もう一つは長期政権直後の内閣は最低1年以上続き、株価は4勝0敗と一度も下がっていないこと」。

  長期政権直後の首相の株価パフォーマンスが良好な要因として、中村氏は「与党であれば政策が反対になるようなことはなく、これまでの流れを引き継いでいくため」と分析。菅義偉氏についても「『継承』という言葉を使っている」と、長期政権直後の特色を持つという。

  第一生命経済研究所の嶌峰義清首席エコノミストによると、過去の長期政権は、経済政策がうまく機能して前半は良くても成功体験から後半は新規性が乏しく停滞感が出やすかった。そのため次期政権も経済がテーマになりやすく、「よく分かっていた課題を実行さえすれば良かった」と指摘する。今回はそれが成長戦略だとし、「デジタル庁などを起爆剤に成長戦略を打ち出せれば、出遅れていた日本株に対する期待が高まる」と語る。

2000年以降の状況

  実際、市場には菅氏が構造改革や規制緩和を推進することへの期待が根強い。ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦エコノミストは、地方銀行の合併・再編促進と、行政面でのデジタル化の推進に注目する。日興アセットマネジメントの神山直樹チーフ・ストラテジストは、「もし新政権が総選挙をして大勝すれば、政策遂行の信頼感が高まるとみて株式市場に資金が流れ込みやすくなる」とみる。

  アベノミクスの継承を掲げる菅氏は、日本銀行との関係についても安倍総理と同じように進めたいとの姿勢を示している。みずほ証の中村氏は日銀の黒田東彦総裁も現時点で退任がなさそうなことを考えると、「海外勢からは政治面で日本株を売る材料にならない。年末にかけて日本株は底堅い展開になりそう」と予想している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE