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バフェットと5大商社、協業の期待を高める両者の類似性

ウォーレン・バフェット氏は、日本の5大商社株取得に対するコメントで「相互利益の機会」への期待を表明した。実際、オマハの賢人とも呼ばれるバフェット氏の投資スタイルと、バークシャー・ハサウェイが保有する最大の日本銘柄となった伊藤忠商事の投資スタイルには類似性が見られ、この点は同氏の投資判断を解き明かす鍵となるかもしれない。  

  ブルームバーグのM&A(合併・買収)買い手概要、要因分析、ウォッチリスト分析の各機能を活用すると、新しいパートナーとなった伊藤忠が保有する、バークシャーを補完すると考えられるさまざまな資産を確認できるほか、両社ともにエネルギー、素材、消費財のセクターで世界中に資産を保有することが分かる。

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ティッカー「8001 JT Equity BUYP」を読み込んで、伊藤忠に対しM&A買い手概要の分析を実行。  

  バークシャー・ハサウェイは12カ月かけて60億ドルを投じ、伊藤忠商事、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事の株式をそれぞれ約5%ずつ取得した。伊藤忠はバークシャーが保有する最大の日本銘柄となり、その額はほぼ21億ドルに上る。(これを確認するには、「BRK/A US Equity HLDR」 を実行し、[設定]を使用して項目を選択。)

ここで伊藤忠の投資活動に注目してみたい。以下の操作を実行:

  • コマンドラインに「itochu」と入力し、「8001 JP Equity」を選択
  • 「buyer profile」と入力し、「M&A買い手概要」を選択。なお、クイック入力は「8001 JP Equity BUYP

  伊藤忠がこれまで展開してきた買収案件では、基礎資材が165億ドル、消費財(景気循環型)が142億ドル、エネルギーが96億ドル、消費財(非景気循環型)が45億ドルをそれぞれ占めていることが分かる。地域別では、総額490億ドルのうち約305億ドルがアジア太平洋地域の案件で占められている。  

  グレーの[取引分布]タブをクリックすると、近年は消費財セクターの案件に高い比重が置かれるようになったことが確認できる。日本の商社は、従来は商品(コモディティー)事業に重点を置いてきたが、ボラティリティーの高い同セクターから消費財セクターへ軸足を移し分散投資を図っている。伊藤忠は最近、ファミリーマートに対する株式公開買い付け(TOB)を進め、同コンビニチェーンのデジタル化、決済事業、海外展開のための資金注入を図った。

  別の画面でバークシャー・ハサウェイに対し同じ操作を繰り返し、同社についても確認する。バークシャー・ハサウェイでは工業が最大のエクスポージャーを占めているものの、消費財やコモディティー、エネルギーのセクターも選好されていることが分かる。地域別では、最近の5大商社への投資までは、アジア太平洋地域における買収額はわずか10億ドルにすぎなかった。

ここで伊藤忠の投資先企業に対し要因分析を実行すると、バフェット氏が「良し」と判断すると考えられる特性が見えてくる。以下の操作を実行:

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伊藤忠の投資先に対しDRIV機能で要因分析を実行し、有利なファクターへの高いエクスポージャーを確認する。

  コマンドラインに「drivers」と入力し、オートコンプリートメニューから「DRIV」を選択。画面左上にあるアンバーの入力欄に「itochu」と入力し、「推奨リスト」セクションから「ITOCHU CORP」を選択して同社のポートフォリオを分析する。

  DRIV画面には一種のスコアカードが表示される。スコアは、25を超えるブルームバーグの機能から取得された各種ファクターへの相対エクスポージャーを測定し、カスタマイズ可能なバックテストを実行することで、比較対象グループと比べ各銘柄が有利か不利かを表示するものだ。

  伊藤忠が保有する152社は、純利益率などの「収益性」指標、5年資産成長率などの「グロース」指標、フリーキャッシュフロー/企業価値などの「バリュー」指標に対するエクスポージャーが高いことが分かる。これらの指標はTOPIX構成銘柄を評価対象とする10年間分のバックテストの結果、有利なファクターとして検出されたもので、その一部はバフェット氏が投資先を発掘する際に使用する指標と類似している。

  ここで、これらの類似ファクターを用い、伊藤忠とバフェット氏にとって共通の投資対象となり得る企業を、消費財セクターで検索してみる。

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ここで、ウォッチリスト分析機能を使用して投資対象をスクリーニングする。

  • コマンドラインに「ウォッチリスト分析」と入力し、同機能を選択。アンバーの最初の入力欄に「topix」と入力し、TPX Indexを選択。なお、クイック入力は「TPX Index WATC」
  • 「絞り込み」の入力欄に「一般消費財」と入力して同セクターを選択。続いて同じ入力欄に「生活必需品」と入力して同セクターを選択
  • 「予想」タブをクリックした後、「NPM%」サブタブをクリック。「直近純利益率%」の下にあるアンバーの欄に「>3」と入力
  • 「実績」タブをクリックした後、「ROE/ROIC」サブタブをクリック。「ROIC平均(5年)」の下にある欄に「>10」と入力
  • 「評価」タブをクリックし、「BF EV/EBITDA」の下にある欄に「<10」と入力
  • 「概要」タブをクリックし、「時価総額」の下にある欄に「>2B」と入力。「予想リターン」の項目ヘッダーをクリックして、同項目を基準に降順で並べ替え
  • 赤いツールバーの[アクション]ボタンをクリックし、この検索結果に名前を付けて保存する。なお、この検索結果のクイック入力は「WATC /SAMPLE 17294299」  

  この検索により、TOPIX構成銘柄のうち12社が、直近純利益率が3%超、5年平均ROICが10%超、かつEV/EVITDAが10倍未満の条件に一致する銘柄として検出された。これらの企業はいずれも時価総額20億ドル超の規模を持つ。

  アナリストによる向こう12カ月予想リターン中央値が20%前後なのは、大手菓子メーカーの明治ホールディングス(HD)と森永製菓のほか、靴小売り国内最大手のエービーシー・マートとドラッグストアのマツモトキヨシホールディングス(HD)だった。

  「8001 JP Equity HLDR」と入力して伊藤忠の保有銘柄分析を実行する。銘柄名欄に企業名を入力して絞り込むと、伊藤忠が明治HDと森永製菓、住宅メーカーの大和ハウス工業を保有していることが確認できる。

  明治製菓:新型コロナの影響による事業低迷で、EV/EBITDA倍率が約8倍まで下がっている。同社の株主リストには、多数の国内外主要銀行の名が連なる。

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「2269 JP Equity HDS」を実行し、明治HDについて株主変化を確認する。

  これを確認するには、コマンドラインに「meiji」と入力して「2269 JP Equity」を選択。「security ownership」と入力し、「HDS」を選択。なお、クイック入力は「2269 JP Equity HDS」。

  JPモルガン・チェースは9月9日、明治株を230万株超買い増して保有比率が1.7%に高まったと発表した。また野村ホールディングス(HD)も、7月に保有株数を100万株近く増やしたと報告している。

  バフェット氏が安定株主となっているコカ・コーラやハインツといったブランドほど有名ではないが、明治はアジア全域で認識されている企業だ。なお素材株とエネルギー株についても同じようにスクリーニングを実行すると、同様の分析ができる。

関連情報は、以下を参照:

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