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CLSAへの中国5カ年計画協力命令、香港金融界の縮図か-関係者

  • CLSAの変化は有能な人材の流出につながっている
  • 自由な投資銀行業の国有企業構造への変換は「リアルな価値の破壊」

香港の証券会社CLSAのリサーチ部門は以前、中国の金融機関に資金を投じる投資家に対し、中国共産党の「頻繁な干渉」を認識すべきだと警告していた。

  2013年に中国国有の中信証券(CITIC証券)に買収される前のことだ。そして今、CLSAそのものが中国政府はいかに金融機関を変え得るかを示す最たる例となっている。 

  事情に詳しい関係者によれば、CLSAの幹部は中信証に中国の5カ年計画策定に関与するよう初めて命じられている。中国経済の方向を決める共産党指導部が1950年代から続けている「儀式」だ。

  主な中国国有企業は政府に5カ年計画の提出を義務付けられており、CLSAの見通しは中信証券による政府への報告に盛り込まれると関係者の1人は説明した。

  中信証によるこれまでの措置はすでにCLSAを大きく変えている。CLSAは長く独自調査と喧々囂々(けんけんごうごう)の議論が展開される投資家会議で知られ、香港の象徴だった。中国政府が香港への締め付けを強める中で、CLSAを巡る今の動きは香港金融界の縮図だとの指摘もある。

  中国指導部の主張は、採用や企業取引、リスク管理など全てに関し規律と協調を改善させるためCLSAには変化が必要だというものだ。ただ、有能な人材の相次ぐ流出につながっており、国際的な企業から最近採用した投資バンカーですらつなぎ留めが難しくなっている。

  8月にCLSAのリック・グールド最高経営責任者(CEO)が就任から1年半足らずで同社を去ったことで、中信証による買収以前からCLSAに在籍する部門責任者は法人株式のエドワード・パク氏ら少数となった。中信証の張佑君会長と対立後、長くCLSAのCEOを務めていたジョナサン・スローン氏ら多くの幹部が同社を辞めている。

CITIC Securities (L to R) Chairman Zhang Youjun and Head of Finance Department Huang Yonggang attend their FY2015 Annual Results at  JW Marriott in Admiralty. 24MAR16 SCMP/Edmond So

張佑君氏(2015年)

写真家:Getty Images経由のEdmond So / South China Morning Post

  

  香港大学アジアグローバル研究所の陳志武所長は「自由な投資銀行ビジネスの国有企業構造への変換はリアルな価値の破壊を意味する。CLSAはもはや国際的に競争できず、親会社に頼るしかないだろう」と指摘した。

  CLSAの広報担当者はコメントを控えた。中信証に電子メールでコメントを求めたがすぐに返答はなかった。

  中国共産党の習近平総書記(国家主席)ら指導部は10月に2021-25年の5カ年計画を示すと見込まれている。

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原題:CLSA’s Five-Year Plan Shows Communist China Is in Charge (1)(抜粋)

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