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JFEHD副社長、高水準の鉄鉱石価格継続「覚悟しなければ」

  • 中国の旺盛な鉄鋼需要背景、来年3月までは現在の高水準で推移か
  • 中国粗鋼生産は過去最高も高い国内需要で輸出抑制、市況は回復傾向

JFEホールディングスの寺畑雅史副社長は、6年8カ月ぶりの高値を付けた製鉄主原料の鉄鉱石価格が、中国の旺盛な鉄鋼需要を背景に今年度末にかけて現在の高水準で推移していくとの見方を示した。

JFE Steel Corp. Plant As Japan Seeks Tariff Exemption

千葉県にあるJFEスチールの製鉄所(3月13日)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  寺畑副社長は10日のインタビューで、「鉄鉱石の価格は若干下がる可能性はあるが、足元の水準は覚悟しなければならない」と指摘。シンガポール取引所の鉄鉱石先物は3日、14年1月以来の高値を更新、現在もトン当たり120ドル台の高水準で推移している。

  一方、原料炭については、足元の価格は想定より低い水準で推移しているが、下期にかけては季節要因などにより一定程度高くなることを見込んでいる。 

  中国ではインフラ投資などの景気刺激策を支えに旺盛な鉄鋼需要が続いている。世界市場で6割を占める中国の粗鋼生産は過去最高を更新しており、新型コロナウイルスの影響で減産を強いられる日本などの主要生産国とは対象的だ。鉄鉱石などの原料価格の上昇はコスト増になり、国内鉄鋼メーカーは採算悪化に苦しんできた。

  一方、足元では、中国の旺盛な需要を背景にアジアの鋼材市況も回復を見せている。中国での生産は高水準だが、国内消費が旺盛で輸出が抑えられており、中国への輸入も増加している。このため、日本の鉄鋼メーカーの輸出市場でもある東南アジアへ向かう鋼材が減少し、市況が回復しているという。

  寺畑副社長は鉄鉱石の価格高騰による影響について、中国の鉄鋼メーカーも「一定程度スプレッド(利ざや)を稼がないといけない」という状況から、コスト増を製品価格に転嫁することで「市況も上がっていくだろう」との見方を示した。 

  国内では、新型コロナの影響で急激に冷え込んだ鉄鋼需要は4-6月期を底に徐々に回復を見せている。自動車業界の回復が早く、土木向けの需要も底堅い一方、造船や建築向けは厳しいと見ている。寺畑氏は「長い目でみると、コロナの回復には時間がかかると思う」と述べた。 

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