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米国債トレーダー、パウエル議長が物価押し上げできるかに疑問符

  • 債券利回りとインフレ期待は8月終盤以降低下傾向
  • トレーダーの注目は2023年の金利予測とFRB議長の記者会見

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米国債市場では、金融当局がインフレ期待を回復させるハードルは高く設定されており、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が消費者物価の上振れを容認する新たな方針を打ち出して以来広がる強気トーンが一変する可能性は低そうだ。

  インフレ期待を示す債券市場の指標はここ2週間に低下した。当局がどうインフレ率を上昇させる考えなのか、さらなる情報をトレーダーが要求している状況をうかがわせる。指標の10年国債利回りは0.70%を下回っており、高騰していた米株式相場が大幅な下げに転じたことに伴う安全資産需要も利回り低下を後押ししている。

  米金融当局は16日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に新たな行動は取らないと多くのエコノミストは予想している。そうなれば債券相場を巡る強気な見方の追い風となり、インフレ期待の上向きをさらに妨げる公算が大きい。

  連邦準備制度が16日に公表する最新の経済予測で、フェデラルファンド(FF)金利の新たな予測は従来より1年先の2023年まで示され、ゼロ付近で据え置かれる見通しで、既にトレーダーはほぼ織り込み済み。今週は20年国債とインフレ連動債(TIPS)の入札が行われる上、経済指標では8月の小売売上高の発表も予定されている。

  ジェフリーズの米金融チーフエコノミスト、アネタ・マルコウスカ氏は電話インタビューで「米金融当局は4年間の大部分でインフレ率が目標を下回ることになるだけに、なぜ待つ必要があるのか。インフレ期待は既に弱まっている」と指摘。今週のFOMCでは現状維持との見方がコンセンサスとなっているものの、予想通りなら当局の判断ミスになると同氏は話した。ジェフリーズは当局がフォワードガイダンス強化について詳述し、米国債購入を長期債に傾斜する方針を示すと予想している。

  10年物のブレークイーブン・レートは9月1日に8カ月ぶり高水準の1.82%を付けたが、その後2週間で低下し約1.67%。一方、5年債と30年債の利回り格差(スプレッド)は116ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、先月末に付けた125bpから縮小している。10年債利回りも2週連続で低下し約0.67%前後となっている。

  10年債利回りの0.60%への低下を見込むミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネジングディレクター、トニー・ファレン氏は、米金融当局が今週新たな行動を起こさないとの見方から、経済成長率やインフレ率、金利に関する四半期予測を注視する考え。「パウエル議長は新しいインフレ指針についてもう少し詳述するかもしれないが、手の内を過度に明かすことはないだろう」と付け加えた。

Bond gauges of price pressures need more Fed fuel

原題:
Treasury Traders Are Doubtful Powell Can Drive Inflation Higher(抜粋)

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