【米国市況】株上昇、M&Aやワクチン期待で-ドルは下落
Sarah Ponczek、Claire Ballentine
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14日の米株式市場ではS&P500種株価指数が続伸。企業の合併・買収(M&A)活動に加え、新型コロナウイルスワクチンの開発進展の兆候を背景に買いが膨らんだ。ドルは下落、米国債相場はほぼ変わらず。
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オラクルは4.3%上昇。中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業を巡る交渉で、オラクルがマイクロソフトを抑え、取引成立に向けて前進したことが手がかり。米バイオ医薬品メーカー、ギリアド・サイエンシズは同業のイミュノメディクスを買収することで合意した。イミュノメディクスの価値を約210億ドル(約2兆2300億円)と評価するもので、同社の株価はほぼ倍増した。
S&P500種は42.57ポイント(1.3%)上昇の3383.54。ダウ工業株30種平均は327.69ドル(1.2%)上げて27993.33ドル。ナスダック総合指数は1.9%高。ニューヨーク時間午後5時現在、米国債市場では10年債利回りが1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.67%。
S&P500種は一時1.9%上昇した後、伸び悩んだ。ナスダック100指数は3営業日ぶりに上昇した。ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は13日、新型コロナワクチンが米国で年末までに一般向けに配備される公算が大きいとの見通しを示した。
ルートホールド・グループのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「パンデミック(世界的大流行)の渦中にあるのは知っているが、実際にはM&A活動にとって極めて良好な経済状況にある」と述べた。

外国為替市場ではドルが主要10通貨の大半に対して下落。ワクチンへの期待と株高で逃避需要が弱まった。16日の連邦公開市場委員会(FOMC)声明では再びハト派的な姿勢が示されるとの見方が強く、投資家の持ち高調整が既に始まっている。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%低下。ドルは対円で0.4%安の1ドル=105円73銭。対ユーロでは0.2%安の1ユーロ=1.1866ドル。
ニューヨーク原油先物相場は小安い。OPECが世界の石油需要見通しを下方修正するなど、燃料需要がコロナ不況から持ち直す時期を巡る不透明感が高まった。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物10月限は7セント(0.2%)安の1バレル=37.26ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント11月限は22セント安の39.61ドル。

ニューヨーク金先物相場は反発。FOMCの会合を控える中でドルが下げ、金の代替投資需要が高まった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は0.8%高の1オンス=1963.70ドルで終了。
原題:Stocks Gain Amid Deals Optimism; Dollar Weakens: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Slips Amid Vaccine Optimism; FOMC in Focus: Inside G-10(抜粋)
Oil Trapped Between Bearish Demand Outlook and Rallying Equities(抜粋)
PRECIOUS: Gold Climbs Before Fed Meeting; Platinum ETFs Surge(抜粋)