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2000億ドル規模のクオンツARP取引、存亡の瀬戸際か-コロナ影響

  • 多様な資産に分散投資するARP戦略、今年の成績低迷
  • クオンツ業界の一部ではARPの抜本的見直しを進めるケースも

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2020年が幕を開けた時、ウォール街で最も注目を集めていたビジネスの1つは、オルタナティブ・リスク・プレミア(ARP)として知られるクオンツ取引を売ることだった。ARPは多様な資産に分散投資する戦略として売り込まれ、ヘッジファンドに好まれ、価格も安く設定されていた。

  そして、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起きた。パンデミックが市場を席巻するようになると、株価トレンドの追跡からボラティリティー保険まで、ARPでよく使われる戦略はこれまでにない急な動きを見せた。

  ソシエテジェネラルのARP指数は今年に入ってからの8カ月間で14%、ユーリカヘッジの関連指数は7%それぞれ低下。GAMシステマティックAQRキャピタル・マネジメントなどの運用会社では、ARPファンドの資産が今年に入って少なくとも半減した。

  懸念されるのは、全体で2000億ドル(約21兆円)規模と推定されるARPファンドが度を越して人気となっていたのか、それとも歴史的なメルトダウンとメルトアップの間で揺れ動く市場には不向きであるのかだ。

2020 has been a tough year for alternative risk premia

  MJハドソン・アレンブリッジ(ロンドン)でシニアアドバイザーを務めるアンティ・スホーネン氏はARPが「本当に機能するのか、資産運用担当者は考え込んでいる。今年は非常に異例な動きが見えたのは本当だが、それにしてもパフォーマンスは失望を誘うものだった」と指摘した。

  ARP製品は多様な取引を組み合わせており、各ファンドの構成とリターンは大きく異なる。ただ、今年のパフォーマンス低迷の要因にはいくつかの共通項がありそうだ。

  3月の金融市場混乱は、ARP戦略が依存する通常の取引パターンを一変させた。そして、その後の市場の急回復はトレンド追随型のシステムを機能させなくなり、システマティックなモデルはポジションの巻き戻しを余儀なくされ、リターンを得る機会を逃した。

  同時に、外国為替キャリーなどこれらファンドが多用するファクターは、株式のベンチマークと連動した反発は見せなかった。

Equity value has been a persistent drag on ARP portfolios

  ここ数年は株価指数に後れを取ってきたARPだったが、今年はポートフォリオの分散投資役としてのパフォーマンスもまちまちだったことから、懐疑的な見方が一層強まった格好だ。クオンツ業界の一部では投資モデルの微調整や、抜本的な見直しを進めるケースも出ている。

Don't Bank On It

Banks' risk premia products have also a challenging year

Source: Hedge Fund Research

原題:
A $200 Billion Exotic Quant Trade Is Facing Existential Doubts(抜粋)

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